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第6話

副会長視点 「聞いてくれ副会長!!俺は天使を見た!!」  どこかで頭を打ったのかと思った。  「生徒会長は凛々しくて素敵!」「付き合いたい!」と女の子達が騒いでいるのをよく見かけるが、コイツの素を見たら皆幻滅すると思う。  現に今、天使を見たとか言っちゃうこの頭が痛い野郎はすごく気持ち悪い。  思わず精神科のある病院をスマホで検索してしまった。 「名札の色が黄色だったから俺達と同じ学年だ!」 「へー…ん?あ、生きた人間の話してんのか?」 「当たり前だろう。逆になんだと思ったんだ」 「えーいや、ついにメルヘンな思考になったのかと。お前わりと正常だったんだな」 「殴ってもいいか?」 「うそうそすみませーん!!…んで、その天使をどうしたいんだ?」  「告白して付き合いたいとか?」続けて聞くと、生徒会長は顔を顰めて黙り込んでしまった。  …本当にその天使生きてるんだよな?今更幻覚かも、とか言うのナシな!! 「天使は……男だった」 「…は?!」  え、なにコイツ。同級生の男に惚れたの?  俺は考えていた天使の想像図を一度真っ白に戻した。男で天使っていえば、金髪でラッパ持ってて…いや、これじゃない。 「男なのにお前、天使って言っちゃったの?」 「しょうがないだろ。俺の頭一つ分以上小さい身長で、潤んだ目!!ぶつかった拍子に俺の胸にくっついて『ごめんなさい』って上目遣いで見られたんだ……思い出したら鼻血出てきた」(※そんなことはしていない)  めっちゃフィルターかかってない?  同級生の男相手にそこまでなるか?ていうか鼻血汚ねーな!!  俺が実際に見たわけじゃないから、どうこう言えるわけでもないが。 「決めた。明日天使に思いを伝える」 「急展開過ぎないか?天使ドン引きしない?ていうか俺もかなりドン引きしてんだけど」 「副会長!!明日までに天使がどのクラスにいるか調べておいてくれ!」  「これ名前な」と言い渡された紙を見て溜め息が零れた。  ……同じクラスのやつだ。

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