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第7話

高級車に揺られ、セレブ臭漂うマンションに帰ると、俺は頭を抱えて蹲った。 「あああああああああああ! どうしよう。明日から会社いけないよぉぉぉぉぉぉ!」 通行人の中に職場の同僚が居たよ! 「職場のまん前でゲイの痴話喧嘩とか。終わっているし! もう駄目だ。辞表出さなきゃ!」 「会社辞めるのかい?」 「止めざる終えないでしょう。あんな人の大来で醜態晒したんですよ。止める以外の選択肢ないじゃないですか?」 「なら、僕の所に就職する?」 「は?」 「永久就職。自慢じゃないが、金も地位も土地も持っている。多少薹が立ってはいるが現役だよ?」 「沢渡さん。俺、本気で悩んでいるんですけど」 「僕も本気で勧めているよ」 本気って……。 思いっきりふざけているだろう。 「ノンケがなに言ってるんですか。大体、俺達友達ですよね?」 「友達からお願いしますって常套句だよね」 確かに常套句だけど。 「それに。同居から恋が始まるなんてよくある話じゃないか」 それもよく聞く話だけど。 「俺、男ですよ!」 「知ってるさ」 「いや、そうじゃなくて。男の俺相手にその気にならないでしょ?」 「勃つ勃たないの話かい? それなら大丈夫。ちゃんと勃つから」 は? 「始めてぶつかった時。僕のものにしたいなって思ったから拾ったんだし」 何言って……。 「聞いてませんけど?」 「普通。興味ない人間を無理矢理引越しさせてまで家に住まわせたりしないでしょ?」 言われてみればその通りだけど。 「退職の場合。一ヶ月前に退職願を出さないといけないからね。明日から一ヶ月は辛いかも知れないけど僕が付いているから大丈夫だよ」 沢渡さんの笑顔。心強いていうより、若干恐い。 「未消化の有給があるなら、一ヶ月も行かなくて済むかな?」 ん? あれ? 俺、退職する事決定か? 「ふふっ。新婚生活が楽しみだね」 永久就職も決定なのか!?

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