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第24話
真っ直ぐな熱の籠った視線に僕は戦慄する。
え……夢……だよね?
「……食べないの?聖くん」
「っいた、だきます……」
優しい声だけどどこかプレッシャーを感じる声に、僕は操られるように合掌する。淳治さん達夫婦は出掛けているらしい。逃げ場は無い。
僕はスプーンを何とか手にするとミネストローネを掬った。微かに震える手で口に流し込む。
ーー見てる…
クロワッサンをちぎり、一口サイズにして食べる。視線が纏わりついて、見えない紐で縛られているみたいだ。
オムレツを割るとチーズがとろりと流れる。小さく切ってフォークで口に入れる。
チーズは大好きだけど、味がしない。全部味がしない。一応ロボットモードのはずなのに。
見てる、見てる、見てるーーー
僕はフォークを皿に戻した。
耐えられなかった。両手を膝の上に置き、もじもじしながら訴える。
「あ、あの蒼真さん……見ないでくだ、さい」
「……どうして?」
「は、恥ずかしいから、です……」
たぶん僕の顔は真っ赤だろう。つっかえながらも懸命に理由を言う僕。
蒼真さんはそんな僕を慈しむような目で見ると「そう。嬉しいよ」と的外れな事を言った。「えっ」と僕がぽかんとすると、ふふっと笑い蒼真さんは説明した。
「見られて恥ずかしいって事は、少なからず僕を意識してくれてるって事だからね。好きな人に意識されるのは凄く嬉しいよ」
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