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第23話
「聖くんは朝ごはんパン派?」
「あ、えと、特に決めてないです……」
そんな会話をしながら一階に一緒に降りていく。
うん。普通。普通だ。
リビングに入ってからも蒼真さんは普通だった。オムレツやクロワッサン、野菜たっぷりのミネストローネが並べられているテーブルに僕を誘導するとオレンジジュースを持ってきてくれた。僕は恐縮しっぱなしでお礼を言う。
……うん、やっぱり夢だったんだな。めちゃくちゃ恥ずかしい。自分で穴を掘って自ら埋まりたい。
「…?蒼真さんは……食べないんですか?」
密かに心中で悶えている僕だったが、椅子に座ってふと気付く。僕の目の前には朝食が用意されてあるけど、真向かいに座った蒼真さんの前には無い。疑問に思い訊くと蒼真さんはニコニコして言った。
「僕はもう済ませたんだ。気にせず食べて」
「は、はあ……」
…………………あれ?
なら、どうして蒼真さんは僕の前に座ったの?
テレビを観るならまだ分かるけどそんな様子もないし……んん??
うつむき加減だった僕は、改めて蒼真さんの顔を見てドキッとする。にわかに緊張し喉を鳴らした。
僕をーーー見てる。
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