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第22話

全然眠れなかった。 カーテンの隙間から漏れ出る朝日の光を僕はぼんやり見つめる。上体をのろのろと起こした。 寝不足で頭が重い。まだ学校が始まってなくて良かったと心底思う。 もしかして……夢だったんじゃないかな…… 眠れなかったと思い込んでいるだけで、本当は寝ていて、それで蒼真さんと暁さんにコクられる夢を…… 何だそれ。どんな欲求不満だよ僕。有り得ない。ほんと有り得ない。 「うぅ……」と頭を抱える。髪をくしゃくしゃにした所で控え目にドアをノックされた。ビクッと僕は顔を上げる。 「おはよう聖くん。起きてる?朝ごはん出来たよ」 ドアの向こうから蒼真さんの声が飛んできた。僕はぎくりとして布団を握り締める。 どうしよう、どうしよう。寝てるフリしようかな。でも……お腹すいた。ずっと閉じ籠ってる訳にもいかないし…… 僕は腹を決めてベッドを出る。深呼吸をしてロボットモードに切り替えた。「はい……」と返事をしてドアを開ける。大丈夫、大丈夫。 廊下に立つ蒼真さんは、僕を姿を見るとニコッと微笑んだ。 「ああ良かった、起きてたんだね。おはよう、いい天気だね」 あ、あれ……? 気合いを入れていた僕は拍子抜けする。 何か……蒼真さん普通じゃないか?相変わらず爽やかだし……あれ?

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