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第21話
誤解が無いよう追記すると、僕は同性愛が気持ち悪いと言っている訳じゃない。
好き、好かれる。恋とか愛とか、美しいと思う。でもその対象が自分となると……何故か物凄い嫌悪感を覚えた。鳥肌が立つくらいに。
『色んなもん垂れ流して……きったねーなお前』
『きめぇんだよ、あっちいけ』
ーーそうだ……
そうだ。僕が汚くて、きもいからだ。そんな僕は綺麗な恋愛に関わっちゃいけないんだ。
僕は毎日が死と隣り合わせで、誰かを好きになった事も好かれる事もなくて……とにかく今まで縁が無くて。好きとかいう感情が分からない。
でも、それで。それで、良いんだ。
「む、無理、です……」
僕は絞り出すように言った。二人の顔は見なかった。俯いて、続けた。がんばれ、がんばれ僕。
「僕は恋愛とか、分かりません……お二人の気持ちには、応えられません……」
沈黙が流れる。
それに耐えられなくて「すみませんっ」とリビングを走って出た。階段を駆け上がって自室に入るとベッドに飛び込む。現実逃避をするように耳を塞いで目をきつく閉じた。
どうしてこうなったんだろう。
疲れた。何も聞きたくないし見たくない。
僕は一晩中、そうしていた。
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