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第20話

「え?」 僕は瞬きを二回した。暁さんの言っている意味が分からなかったからだ。選ぶって何を……? 「暁」と蒼真さんが嘆息する。 「そんな言い方じゃ聖くんが困るだろう。……聖くん、僕たちはキミが好きなんだ。無論、恋愛の意味でだ」 蒼真さんの言葉に僕はフリーズした。困る事には変わりなかった。 好き?蒼真さんと暁さんが、僕を……好き? いやいやいや。僕はぷるぷる首を左右に振る。勇気を振り絞って反論した。必死に口を動かす。 「そ、そんな……僕たち、まだ会って間もないし……そ、それに、男同士じゃないですか……」 そうだ。まだ初めて会って少ししか経っていない。それに、みっともない所ばかりを見せていて好きになられるポイントが分からない。 しかし、僕の精一杯の言葉を蒼真さんはあっさり退けた。 「時間は関係ない。僕たちはキミに一目惚れしたんだ。性別も関係ない」 「野郎同士でもセックスは出来るしな」 セッ……!!?? 暁さんから飛び出た単語に、僕の顔に熱が上がる。 そ、そりゃ僕だって世間には同性愛の人がいる事くらいは知ってるけど…… でも、でもまさか、僕が……? ……気持ち悪い。

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