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第17話

シャワーを浴びてリビングに戻ると、ユキはベランダに居た。そこで外を見てぼんやりとしている。 「ユキ」 声をかけると振り返って、部屋に戻ってくる。 「ユキもシャワー浴びるだろ?」 「うん」 風呂場に行ったユキを見てから、キッチンに行き換気扇の下で煙草を吸う。 今日は九時までに本家に行けばいいから、朝食はゆっくり食べよう。 七時になってから準備して……それまではゆっくり過ごすか。 煙草を吸い終え、深呼吸をしているとユキが出てきて、ふわふわあくびをしていた。 「お前四時から起きてるんだろ。今日は晩飯用意しなくていいよ。ゆっくり休んでろ」 「大丈夫だよ」 「昨日は無理させたし、今日は休んでいてくれ。そっちの方が俺が安心できる。」 ユキは渋々というように頷いて、テーブルの席に着く。 膝にぴょんと乗ってきたシロを見て、慌てた様子で飯の準備を始めたけれど、まだ六時にもなっていない。 「まだ早いだろ」 「え……。あ、本当だ。」 ポカンと口を開けて立ったままぼんやりするユキを連れてソファーに座り、テレビをつけた。 「痛くない?」 「うん」 腰を撫でると俺の肩に擦り寄ってくる。 なんて可愛いんだ。 「明日は絶対買い物行くから、今日はエッチは無しだよ。」 「わかった」 頬にキスすると顔を上げて唇に噛みつかれる。 下唇をはむはむと噛まれて、お返しに同じように噛みついてやれば、顔を赤くして離れていった。 「命は意地悪だ」 「とっくの前から知ってるだろ」 ムスッとして膝に乗ってきたシロを抱き上げ、手を持つ。 「意地悪な命は嫌い」 「……嫌い?」 「……嘘。嫌いじゃないけど、やだ。今は俺が悪戯してる時だったのに。」 シロはユキのセリフに合わせ手を動かされていて、キョトンとしている。 「怒るなよ」 「怒ってないもん」 ユキが手を離すと、シロはソファーから飛び降り、それを見ていると勢いよく抱きつかれた。 「お腹空いた!」 「うん。朝ご飯にしようか」 確かに、七時までは待てそうにない。

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