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第16話 命side

はっとして目を開けるとリビングに居た。 そうだ。夜中にユキが居なくなってリビングに行ったんだった。 「あ、命起きた?」 「……え」 何でユキの膝で寝てるんだ、俺は。 頭をフル回転させるけれど寝ぼけていたせいか思い出せない。 「ごめん。いつからこれしてた?」 「えっと……一時間前?まだ五時だよ。あ、何時に起きたらお仕事間に合う?起こすからまだ寝てていいよ。」 「いや、もう起きる……」 体を起こして、ユキを見る。 一時間、膝枕で何をすることも無く暇を持て余していたのか。 「ごめんな」 「ううん。俺の方こそごめんなさい。命の事をね、夜中に起こしちゃったの。」 「……そうなの?」 「うん。俺が起きたから、命がどうしたのってリビングに来たんだよ。覚えてない?」 「……ごめん、寝ぼけてて……。でもそれはユキのせいじゃないから謝らなくていいよ。」 ユキの髪を撫でて、ググッと伸びをする。 さて、とりあえず目を覚ます為にシャワーでも浴びよう。 「シャワー浴びるけど、ユキは?」 「あ……俺も」 先に浴びるように言うと首を振って「命が先!」と俺の背中を押して風呂場まで連れて行かれる。 「お仕事あるから、先にシャワー浴びて!」 「はいはい」 「あ、あと、昨日の夜、ごめんなさい。俺寝ちゃったでしょ?」 昨日突然電池が切れたかのようにガクッと重たくなったユキを思い出す。 「寝たって言うか、失神?」 「……命はちょっと、激しくしすぎだと思う。」 「悪かった」 「……気持ちよかった?」 不安そうにちらっと見上げてくるユキに苦笑を零す。 「よかったよ。」 安心した表情を見せるユキは、脱衣場で服を脱いだ俺を見て、慌ててリビングに戻っていった。

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