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第15話

目を覚まして体の倦怠感を感じてから瞼を上げる。 隣には命が居て、モゾッと寝返りを打ち時計を見ると朝の四時だった。 「……」 お腹の中にまだ命のがあるように思える。 まだ起きるのは早いから、もう一度目を閉じたけれど眠気がやってこない。 俺の体にかかっている命の腕をそっと退けて、ベッドから抜け寝室を出る。 お尻の違和感が酷くて、ふぅと息を吐いた。 キッチンでお水を飲んで、寝室に戻ることなくソファーに座る。 昔なら、どれだけ眠れなくてもトイレに行きたいと思った時以外は命の隣で眠っていた。 今、こうして一人で夜中にベッドから出れるようになったのも成長っていうのかな。 「──ユキ」 「えっ!」 名前を呼ばれ、驚いて振り返ると命が壁にもたれ眠たそうに立っていた。 「何してんの?眠れない?」 「……目が覚めちゃって」 「ふーん。」 あくびを零して俺の隣に座った命。髪を撫でられて、どうしたんだろうと首を傾げると、合っていたはずの視線が逸れて、俺の肩に命の額が当たる。 「命?」 「……眠い」 「ベッド戻らないの?」 「……ユキと一緒に……」 命の手がお腹に回る。 俺と一緒ならベッドで眠るらしい。 「じゃあ戻ろう?命。……命?え、寝ちゃったの……?」 「んー……」 ユサユサ揺らしてみるけど起きない。 良く考えれば俺、ちゃんと服きてるし体もサッパリしてる。 自分で服を着た覚えなんてないし、お風呂に入った覚えもないから全部命がしてくれたんだと思う。すごく有難いけど……そりゃあ、疲れてるよね。 眠たいのに俺がいないのが気になって起きちゃった命。 大きな体をそっと横にして俺の膝に頭を乗せてもらう。 「お仕事、何時からなんだろ……?」 日によって時間が違うから分からない。 六時くらいに起きてもらえばいいかな。 あと二時間くらいしかないけど、その間だけでも深く眠ってくれたらいいな。 「おやすみなさい」

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