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第1話

俺は高校卒業後、特にやりたい事もなくフリーターをしている。名前は黒瀬 涼(くろせ りょう)。 フリーターをして2年ほどになるが親は成績の良い弟にしか興味がないので何も言ってこない。 別にそれは嫌ではないしむしろ有難いとさえ思っている。俺だって親や弟に何も思わない。 元々、外見も良く学歴主義だった両親は何をとっても平凡な俺を早々と見捨てた。そして親に似て容姿端麗で文武両道だった弟の梗(きょう)を溺愛するようになったんだ。 もちろん始めは子供ながらに悲しさや寂しさはあったしやろうと思えば普通より上は取れる。けどそれもすぐに消えたし止めた。 「あれをやれこれをやれ」「どの教科を何点以上取らないとダメだ」なんてうるさく我が子を成績や結果でしか見ることの出来ない、自分の子だから何でも出来ると過信して押し付けてくる親にはうんざりだった、家族は好きではある。しかし期待をして落とされたくなかった。嫌いにはなりたくなかった。 家の中にいても何も思わないわけではない。洗濯も一緒にしてくれるし飯だってちゃんと作ってくれる。けどそれだけだ。 一般の家の様に食べたい食事の話や今日あったことはもちろんの事、必要最低限の会話もしない。汚れ物は洗濯機に入れれば綺麗になった物が部屋に置いてあり飯はキッチン横のカウンターに置いてある。 両親と梗は基本3人で食事を取るが俺は時間をずらし1人で食事を取るんだ。 一緒に食べても何も言われない、が、話も振られないから。 まあそんな家庭なんだ。俺自身フリーターで落ち着いてるし文句を言わない代わりに向こうからも言われない。お互い様の関係ってやつ。 1日の流れはこんな感じだ。 全員が家を出た8時頃に起きて誰も居なくなったリビングで朝食を取る。食器を片し身支度を整え、その日によってバイトへ行ったり本屋へ行ったり図書館へ行ったり、はたまた映画を観に行ってみたり。それか部屋でゲームをやる。引きこもったりはしないのでガチ勢ではない、と思う 普段から1人が好きなので楽しく長い時間暇を潰せる読書や映画、ゲームが好きなんだよ。 最近はネットカフェにも行くようになった。街はリア充が多いからか何か、よく分からない居心地の悪さを感じるんだ。

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