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第6話
けれども、兄は確かに元気になりつつある。
それだけが救いだった。
最近は食事も軟らかく煮たスープやパンなら食べるし、起き上がって座ることもできるようになった。自分が魔族に従っている限り、このまま回復するのだろう。
跡取りである兄が元気になれば、それは本当に嬉しく、両親のためにもそして領民のためにも安心できることだ…。
その思いだけで、ラファエルは今の状況に耐えているのだった。
「あ、あぁ、もう、許して…」
泣きながら懇願しても魔族は楽しげな笑みを見せるだけで、ラファエルのお願いなど当然聞いてはくれない。
「どうした?」
「熱い…。おかし、く、なる…」
体の奥が疼いて、魔族を欲しがっているのがわかる。
自分がこんなに淫らだなんて信じたくない。
でもこの熱を放出したくて、自然に体は揺れ、愛撫をねだる。
あさましくてそんな自分は嫌なのに、どうしても抑えられない。
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