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第4話
「アッアッ、も、やめ、し、死ぬっ、」
中を突かれ続け、もうどの位経っただろうか。
全く疲れを知らないアレクシスの攻めに、慶はボロボロと涙を流していた。
「死なないさ。お前の死は私の手の中だからな」
「そんな、のっ、ンンッ」
「気持ちいいと言え。天国はすぐそこだ」
顎下をベロリと舐め上げられ口づけられた慶は、アレクシスの口内で喘ぎ声を上げてもう何度目かも分からない絶頂を迎えた。
──────
「あ、あんたはっ、おれの命を奪いにきたんじゃないのかよっ」
強すぎる快感に意識を飛ばしていた慶は目を覚ますなり、枯れた声でアレクシスに食ってかかった。
「言っただろう。私は死を司る神だと。お前の命をどう扱おうが私の勝手だ」
「勝手なこと言うなっ」
「ああ、神は自分勝手な存在だからな。しかし、勝手なのはお前の方だ。死にたいと言っていた割にその言いぐさはなんだ」
食ってかかってきた慶に対し至って冷静なアレクシスは流し目で慶を見つめれば、黄金の瞳から逃げるように目をそらした。
「いつもこんな強姦みたいなことしてるのかよ」
「まさか」
「じゃあなんで?」
話まで逸らした慶の寝そべるベッドに腰掛けたアレクシスはそっぽを向く慶の後方から顔を覗くようにして話しかけた。
「気が変わったとでも言おうか。それに私は人類の擁護者だ。お前を護ってやるぞ?腹の立つ上司、部下、妻から」
「そんなこと出来るわけない」
「私を誰だと思っている」
どれだけ自意識過剰なのかと、自信満々なアレクシスを振り返り見るとバチッと目が合ってしまった。口角を吊り上げている不適な笑みに思わず目を奪われる。
「本気で死にたいと願ったら私が連れて行ってやる。その時まで私がお前を可愛がってやる
私が欲しくなったら願え。すぐに飛んできてやるぞ?」
「だれがっ!!」
「ふふ、随分と生き生きしたな。まあお前も思い知るさ。すぐにな」
バサリと大きく羽ばたいたアレクシスは、一枚の漆黒の羽を残し、一瞬で慶の前から消え去った。
嵐が去った後のような静けさに、一人取り残された慶だったが、胸辺りが騒がしくあたたかく感じるのは気のせいなんかじゃなかった。
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