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第3話
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「起きろ、慶」
まどろむ意識の中で聞こえる心地のいい声。
慶はその声に誘われるようにゆっくり目を開けた。
「……俺…」
「そろそろ起きて実感しろ」
「なに…って……え!?」
ぼやける視界いっぱいに広がるアレクシスの顔に驚き飛び起きようとしたが、違和感を感じたのと同時に体が思うように動かない。
「生きている実感を味合わせてやろう」
不敵に微笑んだアレクシスが慶の手を引き上体を少し起き上がらせた。
「ちょっ、なにして──!」
自分の置かれている光景に目を開いた慶の顔が真っ赤に染まった。
全裸で大股を開く慶の下半身とアレクシスの下半身がぴったりと合わさっていて、尻の中を拡げる異物感に冷や汗が滲む。
「感じるだろう?私の唾液でたっぷり濡らしてやったからな」
アレクシスは慶の指で自分と繋がっている所をなぞらせた。
直視しなくとも根元まで挿っていると分かる感覚に、慶の肛門がひくりと締まる。
「素直でいい体だ」
慶に覆い被さったアレクシスは唇を吸うと舌を滑り込ませ、慶の口内を隅々舐め回した。
「ンッ、やっ、んん」
首を振り、抵抗していた慶の漏れる声が次第に甘ったるくなると表情は虚ろに、腰がビクビクと跳ねている。
「私の唾液は全て飲み込め。媚薬効果があるから天国を見せてやる」
「ン、ハアッ!アッ、アッ」
ジンジンする舌を吸われながら漸く解放されれば、アレクシスは小刻みに腰を打ち付けた。
自分の尻が全く痛みを感じず、ただただ腹の中に溜まる快感はアレクシスの唾液の効果なのだと回らない頭で慶は考える。
なんでこんな事になってるんだ…。
てっきり命を奪われてしまうものだと思っていた慶は混乱した。
神だとか名乗る人間でもない男に、犯されるなんて。どこまで自分の人生は腐っているのか。
下肢に打ち付けられる衝撃を感じながらぼやける頭で考え事をしていた。
「随分と余裕だな」
アレクシスは腰を折り、集中のない慶を叱るよように乳首をかぶりと噛む。
痛みに一瞬息を呑んだが、酸素を求め開く口から発せられるのは甘い喘ぎ声だ。
「人間は愚かだ。誰もが己のことしか考えていない」
慶の体のあちこちにキスを落としながらアレクシスは呟いている。
「醜い生き物だが、」
下肢をぴったりと合わせたまま更に奥へ挿れるように押しつれば、唇噛んでいた口が堪えきれず開いた。
「んあっ、そ、それっヤメッ──!」
「お前は奥を突かれるのがいいのか」
長いストロークで抽送を繰り返され、下半身を突き出すように背中を弓なりに反らす慶の限界はすぐそこまできていた。
「ああっ、熱いッ、も、やめてっ」
「私に奥を突かれてイってしまえ」
バサリと翼を羽ばたかせたアレクシスは慶の腰を持ち上げ、ある一転を擦り上げるように激しく中を抉った。
「ううっ、ッ、アアアッ!」
首に筋を浮きだたせ大きく喘いだ慶は、硬く反り勃っていた陰茎から勢いよく射精した。
「あ、あ…ああ…」
余りの快感に譫言を発する唇に口付けだアレクシスは己が満足するまで慶の体を好きにした。
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