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恋心……溢れて 1
【前置き、ご注意】
こんにちは、志生帆海です。
昨日は多数のリアクションで応援ありがとうございました。250話コツコツ連載してきたのが報われました、
本日は前置きを……
【瑞樹視点】でのRシーンになります。昨日(宗吾さん視点)と同じシーンを瑞樹視点で忠実に追っているので、表現が重なっている部分が多くありますので、ご注意下さい。
一馬とは躰を長年何度も繋げていた瑞樹が、どういう気持ちで宗吾さんに抱かれ、一馬の名残を昇華したのかは、このお話を長編化していく上で、連載当初から絶対に書きたかったことなので……
正直……連日のRシーンばかりで、シツコイと思われる方もいらっしゃると……リアクションでも感じていますが、どうか作者の我儘をお許しくださいませ。
次話からは、また芽生を含めた、ほのぼのとした日常に戻っていきます。
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宗吾さんの名残で満たされた躰だった。
かなり夢中になって、夜更け過ぎまでふたりで愛を交し合ってしまったので、受け入れる僕の方はもう体力の限界だった。
朦朧としているうちに綺麗に身体を拭いてもらい、中も掻き出してもらい、どうやらそのまま彼の胸に抱かれて暫く記憶を失ったように眠ってしまったようだ。
「んっ……」
ふと夜中に目覚めてから先ほど彼に抱かれたことを思いだし、躰が火照って寝付けなくなってしまった。
宗吾さんは、僕をどこまでも優しく貪欲に求めてくれた。とうとう僕のすべてを宗吾さんに委ねた。もう何もかも宗吾さんに見せてしまった。
隅々まで受けた愛撫に、胸が高鳴り震えた。
素敵だった。
躰を繋げることの意味を初めて知ったような、新鮮な気持ちになってしまった。
もう一度、夢の中で彼に抱かれたくなるような……そんな甘い余韻だ。
そうだ、最初から辿ってみようか、初めての甘い想い出を──
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パジャマも下着も滑るように脱がされていた。
産まれたままの姿の僕に、同じく裸の宗吾さんが、ガバっと覆い被さってきた。彼の重みを全身で感じたくて、僕は力を抜いて受け止めた。
僕が怖くないように、躰への愛撫の合間に沢山口づけをしてくれる。なのでまるで小さな子供のように彼の背中に手を回し、ぎゅっとしがみついてしまった。
「可愛いよ、とても」
彼の手によって太ももの内側から左右に大きく開かれ、宗吾さんの指先が奥の窄まりに触れてきた。
そこは……この1年間しっかりと閉じていた場所だ。そこは軽井沢でも、あなたのために必死に守った場所だ。
宗吾さんの手はどこまでも優しく、弧を描くようにゆっくりと窄まりの周りを撫でだした。
「瑞樹……ここ使ってもいいか」
「は……いっ……」
僕の声は小さく震えていた。すると宗吾さんが甘く微笑んで、汗で濡れた前髪をかき分け、まるで幼子をあやすように額に口づけしてくれた。どこまでも優しい仕草に安堵した。
大丈夫……大丈夫。
心の中で必死に唱えていると……宗吾さんにも伝わったようだ。
「大丈夫だよ。怖くないよ」
オイルを纏った彼の指を、つぷりと僕の蕾が呑み込んだ。とうとうこの時が……躰の内側に初めて彼を感じた瞬間だ。何度も出し入れされて湿った水音を立てるのが恥ずかしくて必死にシーツを掴んで耐えた。
「宗吾さん……もう、もう……大丈夫ですから」
「駄目だ。もう少し」
僕の躰はまるで初めて男性を受け付けるかのように真っ白な気持ちで過敏に反応していた。やがて時間をかけて僕の入り口が宗吾さんの指に馴染んで来た。彼が丹念に中を探ってくる。一番過敏なポイントをグッと指の腹で押された時は、あまりの気持ち良さに腰がビクンと跳ねてしまった。
「あっ……うっ!」
「ここだな」
そこから一気に快楽の波に巻き込まれてしまった。
もう委ねよう……あなたに。
宗吾さんは時折はっとした表情で自分を諫めるように優しく緩やかになり、それでいて次の瞬間にはまた激しく僕を抱いた。
「あっ、うっ」
小さな喘ぎ声が止まらなくなる。恥ずかしくて閉じたくなる脚を制され、僕はもっと深い快楽の波に連れて行かれた。
もっと宗吾さんの色に染めて欲しい。
アイツの余波に巻き込まれないように!
「あ……んうっ」
僕のモノもしっかり勃ちあがり、先端からは透明の蜜がとろりと溢れていた。
「そろそろいいか。力を抜いて」
脚を更に大きく開かれ、宗吾さんの下半身としっかり密着させられた。すぐに僕の中へ彼がやって来た。僕の内部があなたを迎え入れて……燃えるような熱で一気に奥深くまで貫かれた。
「うっ!あっ……ううっ」
一馬っ?
突然、思い出してしまった。
アイツの顔が脳裏を過る。
最奥に受け止めた最後の一夜のことも蘇る。
形を覚えておこうと、何度も強請ったあの日の情事までも!
駄目だ! 駄目……!!
慌てて目をギュッと瞑ると、宗吾さんに耳元で何度も呼ばれた。
「瑞樹っ、今……瑞樹を抱くのは誰だ? 」
「そっ……宗吾さんです。僕の……宗吾さんです」
そうだ、僕を抱くのは宗吾さんだ。
僕が今愛しているのは、目の前にいる宗吾さん!
だから必死に目を開いて、しっかりと彼を見つめた。
「やっとだな。やっと一つになれた。君と繋がれた」
宗吾さんを確認すると……あとはもう夢中だった。
額、耳、頬、唇──キスの雨が降り続ける。僕の躰がしっとりと水を吸い濡れていく。同時に躰の内側から水分が溢れるように満ち足りた気持ちになっていた。
「動くぞ」
宗吾さんと僕はそれからふたりで抱き合い……小刻みに、まるでさざ波を作るように腰を擦り合わせた。
「んっ……あ、あっ」
僕の口からはもう甘ったるい吐息しか出なかった。快楽の海に溺れていくようだ。やがて腰をホールドされ、最後の大波を受け止める準備をした。
「しっかり掴まっていろ!」
僕も必死に彼の背中にしがみつき、宗吾さんも僕をきつく抱きしめた。
腰をぐるりと撫でつけるように大きく回され、甘い痺れの後、脳内がパーンっと真っ白になった。 ふたりで大きな波を乗り越え、弾けた!
もう宗吾さんが良すぎて、どうにかなりそうだ!
「宗吾さん……」
「瑞樹っ……くっ」
僕の中に潜り込む宗吾さんのモノがあまりにフィットするので、クラクラと目眩がするようだった。
こんなにも、あなたのモノがしっくりくるなんて――!
ずっと待たせて、待って、やっと辿り着いた奥深い場所での逢瀬で、宗吾さんのすべてを捧げてもらったような充足感に包まれていた。
彼の躰からは汗が流れ精悍な色気で満ちていた。すべてを僕に注いでくれたのが身をもって感じられた。
あの日一馬に置いて行かれて、行き場のなくなった僕の恋心。
彷徨って守って……ここに落ち着いた。
宗吾さんの胸に抱かれて彼の鼓動を聞けば、僕はそこに到着した恋心を確かめることが出来た。
ドクドクと規則正しい鼓動が聞こえる。
****
夢の中で思い出していたら、躰がまた熱くなってきてしまった。
わ……僕っ……まずいっ
慌てて寝返りを打つと宗吾さんに見つかってしまった。
もう、恥ずかしいっ!
「どうした? 瑞樹……もしかして眠れないのか」
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