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遥と資金洗浄

 遥は受け取った500円玉を改めて観察した。 「ふうむ。全体的に曇ってますのん。せっかく愛しのキャベツからもらったんだから、ピカピカに資金洗浄したいんだわー」 物置へ行くと、掃除道具のワゴンがある。家政婦のむにさんが掃除のときに使うワゴンで、必要な道具が効率よく並べてあった。 「♪さがしものは、なんですかー? みつけやすいものですよー! ワゴンのなかのひきだしのおく、さがしたから、みつかりましたの! ぴかーる! ぴかーる! ぴかーる! あぁーあー♪」 その名も『ピカール』という研磨剤を取り出して、ウェスの上に置いた500円玉に塗布する。 「♪キュッ、キュッ、キュッ、キュッ、キュッキュキュッ! キュッ、キュッ、キュッ、キュッ、キュッキュキュッ! クエースチョン、クエースチョン、キミはだれ? はるかちゃんよ! クエースチョン、クエースチョン、ぼくはるかちゃん!」 キュッキュッ、キュッキュッと言いながら磨くうちに、汚れは全部ウェスに移った。  さらに水で洗い流し、ウェスのきれいな部分で水気を拭うと、500円玉はきらきらと光るようになった。 「おーいえー! 遥ちゃんの資金洗浄は完璧なのん!」 親指と人差し指で挟んだコインを動かし、光の反射を楽しんだ。

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