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遥、稜而に報告する

「かくかくしかじか、ほにゃらら、むにゃらら、るんたったで、ほいほいのほーい! ……っていう訳で、このハードボイルドな革製ペンダントができたのん!」 山盛りのコロッケを飲み物のように食べている稜而に向かって、遥は身振りと手振り、さらには犬のモノマネもつけて説明した。特にジョンがタイサンボクの木の下で土を引っ掻いたシーンと、サノヤで指先のきれいな青年が100gの合い挽き肉のパックを手にしたシーンは上手に再現できた。  稜而は遥の話を根気よく聞いて、さらに遥の胸元へ手を伸ばして、完成した革製のペンダントをよく見る。 「周りを革紐でかがって額縁みたいに500円玉を固定するなんて、とても面白いアイディアだ。さすが遥だね」 「うふーん。デザインはおじさんが考えたけど、我ながら名案だったと思うんだわー!」 稜而がうんうんと頷くのを見て、遥はバラ色の頬を持ち上げ、ニッコリ笑う。 「今日、遥ちゃんが珍道中できたのは、稜而がこの500円をくれたからよ。とっても楽しい一日だったんだわ! ありがとうなのん!」 口の中でキスの音を立てながらウィンクすると、絹ごし豆腐と油揚げの味噌汁を飲み干して、遥はパチンと両手を合わせた。 「ごちそうサマンサー!」  食器を運ぼうと立ち上がった遥の手首を稜而が掴み、自分の膝の上に座らせた。 「俺があげた500円玉を使って、楽しい一日を過ごしてくれて、ありがとう。愛してる」 同時に頬にキスされて、遥はちょっと肩を震わせてから、稜而の唇に自分の唇を押しつけ、首に両腕を絡めて抱きついた。 「今夜は遥ちゃんが、稜而に楽しい夜を過ごさせてあげるのん! 愛してるんだわー!」

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