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epilogue
「おはようございます」
またしても僕は瑞希さんに朝早く電話をしている。
『キョウに聞けた?』
「はい、ちゃんと聞きました、恭治は許してくれたと思います」
『そう。じゃあ電話をくれる?』
「え?」
『なんで驚くの?』
「瑞希さん病院にくるでしょ?「じゃあ、あとでねって」言うものだとばかり」
電話の向こうで瑞希さんはクスクス笑っている。
『キョウが目覚めた時に、諭君と一緒にいるほど私は無粋じゃないわ。だからいつものように言ったら、私が来るのが早いか、キョウが目を覚ますのが先かってハラハラするでしょ?
落ち着いたら電話をくれればいいわ。私だってちゃんとそれくらい考えられるのよ?』
瑞希さん、あなたって人は。
「瑞希さん、恭治のお姉さんじゃなくても、貴女を好きになっていたかもしれません」
『キョウと喧嘩はしたくないわ。それに好きになってくれなくても大丈夫よ』
別に好きにならなくたって、私たち一緒にいることになるわ。そういうことですね、瑞希さん。僕は電話を切って、出かける準備を始める。
恭治を迎えにいく僕は幸せだった。
「おかえり」って言おうか。
「恭治」名前だけを呼ぼうか。
君の目を見てキスをしようか。
窓の外は青空に降る雪。
「天気雪だよ、恭治」
君を迎えるには絶好の空。君と同じで……とても綺麗だよ。
END
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