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第1話

それでもいいと願った俺は今日も亜季の寝顔にキスをして一日を終える…… 「……政宗?」 「ああ、ごめん……起こしちゃったか」 「いや、平気。俺も待ってようと思っててもいつの間にか寝ちゃって……ごめん。仕事お疲れ様」 「ああ、ありがとう。それに……気にするな。俺は亜季の寝顔が見れて、こうしてキスが出来たら満足だ」 記憶が戻らないままの亜季に二度目のプロポーズを経て、俺と亜季はもう一度恋人としてやり直すことにした。 それは、俺たちが前に進む第一歩。 友達からやり直す覚悟をしてた俺には亜季からの受け入れはとても嬉しかった。 『記憶は戻ってないけど、俺も政宗のことが好き』 そう言ってくれた亜季の薬指にもう一度指輪を通し、「ゆっくり好きになってくれ、俺は待つから」……そう伝えた。 だから、今はキス以上することは出来ない。 触れ合える…… だけど、それ以上を望むには今の俺たちにはまだ早い気がして…… そんな歯がゆさを抱きながら、今夜も亜季を抱きしめながら優しくキスをして眠りにつく。 「亜季……」 「なに?」 「……いや、なんでもない」 愛する人がもう一度想ってくれるなんて奇跡のようなものなのに…… 分かっているはずなのに、俺はそれ以上を望んでしまう。 ……欲張りだ。 だけど、 もっと触れたい。 もっと愛したい。 もっと愛し合いたい。 ~恋の残り香 after story~

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