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第4話
「我慢……しなくていいってことか……」
「政宗?」
「キス……以上していいんだろ?だったら俺ももう我慢しない」
抱きしめたまま、亜季の耳元でそう囁くと戸惑うように再び名前を呼ばれた。
「亜季は、少し勘違いしてる。まぁ、俺が言葉足らずだったのが悪いんだけど。俺は……亜季にもっと触れたかった。けど、亜季のことを考えるとまだ早いと思って……だから必死に我慢してたんだよ」
「……えっと……それって、避けられてると思ってたのは……」
「我慢してたのが、亜季からは避けてるように感じたんだろうな……だから、違うんだ」
「そう……だった、のか……」
超えちゃいけないラインを必死に守っていたけど、それももう……
「亜季……愛してる。記憶を無くす前の亜季も勿論愛してた。けど、今はそれ以上にお前が大事だし、愛おしい」
「俺……すげー愛されてるってこと?」
「当たり前だろ」
よかった……と、背中越しに聞こえた声が少し震えているようで、俺は馬鹿だったと改めて自分を責めた。
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「本当にいいのか?」
「前は何度も抱いた身体だろ?別にそんな改まらなくても……」
「前とか言うなよ。確かに何度も抱いたけど、久しぶりだし緊張するだろ、普通」
「案外、政宗って小心者だよね」
こういう時、亜季の方が肝が据わってるというか……それは昔から変わらなくて、それもちょっと嬉しい。
「何ニヤニヤしてるんだよ?」
「いや、亜季は亜季だなぁ~と思って」
「なんだよそれ。しないなら寝るからな」
「ダメに決まってるだろ」
「じゃあ……ッ……ん……ッ」
俺たちがそんな会話で笑い合える日が来るなんて……
亜季の口を塞ぎながら、その唇を、その幸せを噛み締めながらぼんやりと思う。
そしてベットへその身体を沈め、あの頃のように俺たちは夢中でキスを繰り返した。
「……ッ……おも、い……ッ」
「余裕ないの……ッ……わかるだろ……ッ?」
唇から、首筋、鎖骨……と、キスを落としながら舌先で亜季の白い肌を味わう。
久しぶりに触れた肌は温かくて、荒い呼吸と一緒に上下する様が俺を一気に高ぶらせた。
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