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おまけ☆ ※

  「おはようございます」 「……ん……おはよう……」  寝ぼけ眼が、色っぽくて。  俺はその鼻の頭にキスをした。  真っ赤に染まっていく顔が、すごくかわいい。この瞬間を独り占めしているのだと思うと、とんでもない幸福感で満たされる。  俺は、昨日、初めて彼の家にお泊まりした。  お付き合いを始めてから2ヶ月。ずいぶん遅い初お泊まりだが、仕方ない。このところの王宮は忙しすぎた。  王宮の近衛と兵団の大幅な異動の余波は、当然ながら王宮全てを巻き込む大がかりなものになった。  昨日やっと俺と正式な婚約者同士となった彼、王宮兵団団長・ギリアン=マクマホンは、当事者として常に忙殺される毎日を送っていた。  俺も補佐としてがんばったのだが、いかんせん慣れない書類仕事。  文官である父を頼ってあれこれレクチャーしてもらったものの、付け焼き刃が役に立つような量ではなかった。  それが、やっと緩和されてきたこの頃、「そういえば、婚約の書類は作ったのか?」と副団長に聞かれ、慌てて作ったのが一週間前。  両家ともに許可をとり、提出して正式に受理されたのが昨日だ。周囲には、今さら? と言われた。  せっかくだからと午後から休みをとって、町を回って夕食を、という時になって 「せっかくだから、うちで食べていかないか?」  と、王都のマクマホン家に招待された。  うん。  さすが辺境伯のお宅。  平民と規模が変わらないうちとは大違いの豪邸。  執事やメイドが何人いるんだろう。メイドじゃないのか。召使いか。侍女もいる? 低位貴族には違いがわからん。おいおい学ぶ。  執事長と侍女頭とか紹介されて、あれよあれよと支度されて、めちゃくちゃ旨い夕食をいただいた!  なんだこれ、肉やわらけー……スープ旨ぇー……野菜がこんなに甘いの何でだ……パンなんかいくらでも食べられるぞ……。  料理長に絶賛を送っているうちに、風呂の用意がされていて、隅々まで磨き込まれて、寝室に案内された。  寝室に、案内された。  普段、団長が使っている、寝室に。  落ち着いた色合いのテーブルセットにお茶の用意がされていて、軽く引かれた椅子に座ると、香り高いお茶を勧められた。  団長はまだいない。風呂か。  異様にドキドキする胸を押さえながら、お茶をお代わりしていると、やがて扉が開いた。  その時の、団長の、色っぽさといったら……!!  給仕していた侍女は、団長のお茶も入れると、そのまま礼をして立ち去っていった。  待ってくれ! まだ行かないでくれ!  俺、こんな団長と二人きりでいて、自分を押さえられる自信ない!!  ドキドキがバクバクに変わった胸を、悟られないようおとなしくしていたら、団長が改めて礼を言ってきた。「オレの婚約者になってくれてありがとう」と。  ――そんなこと言ったら、礼を言うのは俺だ。  婚約を破棄された俺を、俺なんかを好きになってくれてありがとう。  俺の気持ちを受け取って、側に居させてくれてありがとう。  溢れそうな涙を堪えていたら、手をとられて、 「ずっと一緒にいてくれ、エディ。これからずっと、オレの側に」  そう、頬を赤らめられた。  俺は、その手を握り返すと、  席を立ち、ベッドまで引きずって行った。  そのまま団長を座らせると、唇を奪う。深く舌を絡ませ、唾液を交換すると、逞しい大胸筋をなで回す。腕をとられるので、その手を自分の腰に回してやった。荒くなる息を整える間もなく、下腹に手をやれば、すっかり臨戦態勢だ。  それが、愛しくて愛しくて。  口を寄せると「それはダメだ」と焦った声。嗜めるようにキスを送ると、堪えるような呻きに変わる。何度もキスを送り、甘噛みに変えると、支えるように頭を抱えられた。堪らなくなって、自分の下半身に、後孔に指をやる。  ああ、うん。団長はかわいい。  優しくて、しっかり者で、紳士で頼りがいがあって。  だけど、奥手で甘えん坊なところもある、とってもかわいいひとだ。  だけど、いざやろうという時になって、襲いたいとは思っても、とは思わなかった。  とにかく、欲しくて堪らなかった。 「あ、ああッ エディ……」 「ん、あ……、ギル……!」  互いの愛称を呼び合いながら、俺はギルをベッドに押し倒すと、ガッチガチになった肉棒を掴み、一気に自分の後孔へ突き入れた。 「んっ、きゅ……、あああっ!」  自分でやっておいて、ちょっと後悔した。ギルのモノは、その体格に見あった立派なもので、対して俺は完全に処女だった。  ギチギチになったその場所を慣らすように緩く腰を振っていると、曖昧な刺激が我慢ならなくなったのか、強く突き上げられた。 「はっ、あああぁぁぁああいッッ!!」  俺が自身を昇めらせてからあとはもう、無茶苦茶だった。意識は半分飛びっぱなしだし、視界は揺れるし、まっ白だし、どんな体勢になってるかわからないし。  体のあちこちは痛いのに、ひどく気持ちよくて幸せで。  ついにひとつになったんだと思うと、今まで起こったすべてのことに感謝した。  朝食は、部屋に運ばれた。  ずっと二人、いちゃいちゃしながら、精霊樹に祈るのはいつにしよう、なんて。  下りた玄関で、「泊まりはまだ早い」と鬼の形相で仁王立ちする母に出くわすとは思わなかったんだ。  

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