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第1話
景と会える事になって、久しぶりに家に遊びに来てくれる事になった。
いつものように軽く飲んで、どちらからともなくキスをして、顔を離して、またキスをして。
景が軽く微笑んだら合図。
景は俺をベッドの真ん中に優しく座らせて、自らの上着を脱ぎながら額や頬に軽くキスを落としていく。
啄むような優しいキスから始めて、徐々に舌使いを荒くし、息も出来ないほどの激しいキスへと変えていく。
久々の行為だから、すぐに身体が熱を持つ。
唇を離すと、今度は俺の耳を執拗に攻めてくる。
そこが弱いって知っているからだ。
景の生暖かい舌が神経を伝って頭にダイレクトに響いてくる。
身体を丸めて、震えながら快感に絶えるように景の手首を掴んだ。
着ているTシャツを脱がされ、今度は首筋に唇を落とされるような気配を感じたから、実際にそうされるよりも随分前に声を漏らしてしまった。
「ん……っ」
「ふっ。だから、まだ触ってないよ?」
景は意地悪だ。
俺の反応をこうやって楽しんで、いつも不敵な笑みを浮かべている。
恥ずかしくてギュッと唇を噛むと、首筋を手の爪先でなぞられた。
「ん、ん……!」
「もうそんな声出して。エッチだね」
「だっ、て……」
「そんなエッチな子にはお仕置きだな」
景は再び顔を近づけてくる。
俺の頭の後ろに右手を回して、少し伸びた俺の髪を右耳上あたりから左へと流して、首筋を露わにさせた。
「美味しそう」
景は呟いて、紅い舌をチラリと覗かせながら俺の首筋に視線を落とした。
妖艶なその顔を見ただけで、もうイッちゃいそうになるくらい感じてしまったけど、ぐっと堪えて瞳を閉じる。
でも、ハッとした俺は思わず目を見開いた。
舐められると思っていたけど、今、そこを痛いくらいに強く吸われているからだ。
「あっ!景っ……跡残るっ」
俺の制止虚しく、逃れる事は出来なかった。
景が顔を上げた時には、白い肌には目立ちすぎる赤い跡が。
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