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修介and晴人※ボツネタです
☆書いたものを整理していたら出てきたので載せてみます。
実は修介の友達の晴人と秀明は当初、くっつける予定だったのです(笑)
ですがなかなか話がまとまらず、その設定自体ボツにしてしまいました。
特にオチは無いのですが、もしかしたらこんな二人のやり取りもあったかも……という感じでお読み頂けたら幸いです。
*
今日は授業は無いけれど、晴人と大学の図書館前で待ち合わせて、卒論に必要な資料を借りに行った。
ついでにパソコン室で就職情報サイトを開いて、メールと説明会の日付の確認をする。
ここ最近の俺のスケジュール帳は会社説明会とバイトの予定でいっぱいだ。
晴人も、ファミレスで深夜にバイトをしているけれど、最近は就活や大学の課題も多いからシフトを減らしてもらっているらしい。
一段落した後、喫茶店に入ってコーヒーを頼んだ。
「今日、秀明は何処行っとるんやっけ?」
「海浜幕張。二次面接だって」
「そっかー。なんか晴人と二人きりってすごく久しぶりやない?いつも秀明がセットでくっついてるイメージやから」
「うん。お前と二人って、なんか気まずいな」
「めっちゃ気まずいわ~。早よ帰りたいわ~」
あはは、と笑い合ったのも束の間、晴人はまた父親のような眼差しを俺に向けてくる。
「最近どう?藤澤 景とは」
「へっ!……あ、うん、順調かな……」
「何その顔。もしかして、した?」
「えっ!別にっ!?」
「修介、嘘つくの下手すぎんだよ」
「……」
コーヒーをズズッと飲んで誤魔化すと、晴人はなんだか真面目な口調で話し始めた。
「藤澤 景と、この先どうなりたいとか考えてんの?一緒に住みたいな、とか」
「住みたい?!」
あぁ、この間、景と部屋で過ごしている間に実はそう思ったんだ。
こんな風に毎日一緒にいられたら幸せだろうなぁって。
でも、仮に彼と一緒に住むとなると家賃も折半となるだろう。
彼の基準に合わせるととんでもない額になりそうだし、そんなのはまた夢の話だ。
「いや~、そんな先の事はまだ何とも」
「でも、こっちで就職するんだろ?」
「あ、うん。景と付き合ったからって訳やないんやけど、こっちの方が就職先多そうやし、今の生活気に入っとるから。景も、こっちに残るって言ったら変わらずに会えるねって喜んでくれて。せやからこっちで頑張ろうと思う」
「そっか」
晴人はなんだか気落ちした声を出したから、何事かと慌ててしまった。
こんな晴人、あんまり見たことが無い。
「え、どうしたん?」
「俺、地元の福島に帰るって言ったけど、実は迷ってて。好きな人がいるから」
「えっ!」
晴人からそんな恋愛話を聞いたのは久しぶりだ。
確か初めて出会った頃は、高校の同級生と遠距離恋愛をしていたけれど、半年程経った頃に自然消滅してしまった。その後は浮いた話も無く、好きな人がいる、なんて聞いたことも無かった。
「そうなん?!全然知らんかった!誰?」
「内緒。でも、修介もよく知ってる人だよ。しかもこの気持ちに気付いたの、最近だし」
晴人はニヤリと笑った。
俺もよく知ってる人?ていう事は同じ大学って事だよね?
あ、もしかして、ゼミが一緒の川上さんかな!
あの子とこの前親しげに話してたし、モデル体型で美人だから、晴人の好きそうなタイプだし!
晴人ってそういう事口に出して言わないから、なんだか嬉しくなった。
恋してるんだなぁ、晴人も。
今度は俺が父親のような眼差しで晴人を暖かい目で見て、ウンウンと頷いてニコリとした。
「そうなんや~。その子と離れんのが寂しいんやね?晴人、好きやったらちゃんとアタックせんと。後悔しても時間は元に戻らないんやで?」
いつだか、誰かに言われた台詞を偉そうに言ってみた。
どの口が言ってんだと殴られそうだけど。
「お、なんか修介がそんな事言うなんて思わなかった。やっぱりそうだよな。時間ってあっという間に過ぎていくよな」
「そうそう。あと、景が言っとったけど、その人との出会いは必ず意味があるねんて。せやからきっと晴人もその人を好きになったのは意味があるんよ。モヤモヤするんやったら、思い切って言ってみたらええと思うでっ!」
「うん。向こうも就活忙しそうにしてるから、もう少ししたらちゃんと言ってみようかな。まぁ、俺も恋煩いなんかしてないで、ちゃんとやる事やれって話なんだけどさ」
「でも、恋も大事やで!その人の為に頑張らな!って思うわけやし。俺、晴人がちゃんとその子に告白出来るように、応援しとんで!」
これもいつだか誰かに言われた台詞だ。
晴人は うん、と頷いて微笑んだ。
晴人もその子と上手く行って、就職も決めて、みんな幸せになればいいなぁ、と願った。
この時は、晴人の好きな相手が誰かだなんて、ちゃんと考えもせず。
END*
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