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第5話
side 遥
「遥 ……」
やっとの思いで智大の病室を後にした俺を光瑠 が追いかけてきた。
「辛いのは分かる。だけど、お前はもうここに来ない方がいい。せっかく忘れられたんだ。お前のことも、明智家 のことも。」
そんなこと言われなくても分かっていた。だけど言葉がつっかえる。
俺と智大、光瑠が出会ったのは高校時代のことだ。俺と光瑠は同級生、智大は俺たちが三年生の時に入学した。
智大が入ってきたとき男子校だった母校では、美人が入ってきたと話題になっていた。小柄で華奢な体に白い肌。大きな瞳に控えめな鼻と口。俺も一目見た瞬間心を奪われた1人だ。
その後いろいろあってやっと卒業間際に告白できた俺は智大と付き合うことになった。
大学も俺と同じところに来てくれて、大学時代は同棲もしていた。
本当にあの頃は楽しかった。
「なぁ、光瑠。
俺はどこで間違ってしまったんだろう。」
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