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第4話

「遅い」  咲良に言われる。  インターホンを押してすぐ玄関を開けたことを考えると、玄関先で待っていてくれたことを遥は知った。 「悪い、遅くなった」  遥は嬉しさで、にやけそうになる。   (幸せだなぁ)  咲良と目が合う度に、そう思う。  我慢できなくて遥は、嬉しくて笑顔になってしまう。  そんな遥を見て、咲良は抱きしめた。  彼の体温、香り、腕の力強さ。全てが愛おしい。 「咲良、好き」  遥はそう呟き咲良を抱きしめ返す。  背中の筋肉を服越しに触り、遥の体温が上がった。  心の中で何度も呟く。大好きと。  この幸せが永遠続けばいいのにと。 **  「遥に大切な話がある。……少し落ち着こう」  咲良から低い声でそう言われ、遥は怯える。  遥に背を向けた咲良は気づかない。  

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