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第4話
「遅い」
咲良に言われる。
インターホンを押してすぐ玄関を開けたことを考えると、玄関先で待っていてくれたことを遥は知った。
「悪い、遅くなった」
遥は嬉しさで、にやけそうになる。
(幸せだなぁ)
咲良と目が合う度に、そう思う。
我慢できなくて遥は、嬉しくて笑顔になってしまう。
そんな遥を見て、咲良は抱きしめた。
彼の体温、香り、腕の力強さ。全てが愛おしい。
「咲良、好き」
遥はそう呟き咲良を抱きしめ返す。
背中の筋肉を服越しに触り、遥の体温が上がった。
心の中で何度も呟く。大好きと。
この幸せが永遠続けばいいのにと。
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「遥に大切な話がある。……少し落ち着こう」
咲良から低い声でそう言われ、遥は怯える。
遥に背を向けた咲良は気づかない。
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