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第59話

「だめだ・・・・・・。でちゃうから・・・・・・」  舌っ足らずな口調で希が告げると、奎吾は顔をしかめた。 「・・・・・・天然かよ」 「へ?」  意味のわからないことを告げられ、希が訊き返そうとしたとき、芯を持ったソレを口に含まれた。希は思わず声を上げた。 「あっ! ああ・・・・・・っ!」  奎吾は口淫も巧みだった。そのことが男の過去を連想させるようで、胸の奥がチリッと痛む。そういえばアツシという男と奎吾の関係はと希が考えたとき、袋の部分を口に含まれ、何も考えられなくなった。男は転がすように舌で舐め溶かし、それから適度に締め付けながら竿を呑み込んでゆく。  やばい、このままだとイってしまう。 「が、蒲生待てっ!」  焦った希が逃げ腰になったとき、奎吾は希のソレをきゅっと締め付けた。 「ああーー・・・・・・っ!」  気がつけば、希は奎吾の口の中に放っていた。がっくりとうなだれる希を見下ろす奎吾は壮絶な雄の色気を放っている。その喉が大きく上下した。それから奎吾はペットボトルを手に取ると、ごくごくと水を飲んだ。  の、の、飲んだー! いま飲んだー!  自分の放ったものを目の前で飲み干されて、希はぎょっとした。 「ば、ばかじゃないのか!」  早く吐け、いますぐ吐けと詰め寄る希に、奎吾が面白がるように笑う。  合わせた唇の隙間から奎吾の舌が忍び込んでくる。互いの舌を絡めたり、舌でくすぐるように撫でたり、吸われたりしているうちに、希はぼうっとなってしまう。がくんと腰から力が抜けた希の身体を、奎吾が支えた。いつの間にか、二人とも何も身につけていなかった。再びゆるく芯を持った希のペニス同様、奎吾のそこはあり得ないくらいに固くそそり立っている。触れ合うたびに希の先端から滲み出した汁がくちゅりと濡れた音をたてた。 「ふぁ・・・・・・んっ」

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