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34-シッポをさわられるのは、恥ずかしいような気がします

ゴローくんが自分のお尻を指でシャカシャカ。 シッポは髪より少し明るいこげ茶の毛に覆われ、内側はベージュに近い茶だ。 オレは無自覚にドライヤーに手を伸ばしていた。 ゴローくんがちょっと目を見開く。 「ハクトさん?」 「オレがドライヤーしてあげる」 「ドライヤー持って発情してます?どうしてですか?」 どうしてもこうしても、男らしいけど清純なゴローくんが、薄く筋肉のついた体をさらし、扇情的な股間クッキリでお尻を強調させる下着姿で、その艶やかなお尻に向かってしきりに指を動かしてる……って、もう、どうやったら冷静でいられるんだよ。 「大丈夫、ちゃんと乾かしてあげるから」 「っっ……」 温風を当てながら、シッポにふれると、ゴローくんがキュッと身をすくめ、唇をかんだ。 硬すぎず、柔らかすぎず、しなやかなシッポの毛。 ズボンで擦れるのか、先っぽだけ少し薄い。 「あの、やめてください。ハクトさんにシッポをさわられるのは、恥ずかしいような気がします」 「大丈夫、大丈夫」 「何が大丈夫ですか?」 うん、オレも何が大丈夫なのかわかんないよ。 シッポを持ち上げて肌に接地する裏側に温度を確認しながらドライヤーを当てる。すると、どうしてもシッポの毛をかき混ぜる指がちょいちょいと尻たぶにふれてしまう。 温風と指の両方がくすぐったいんだろう。丸かった尻たぶがキュッキュッと引き締まっていき、限界がきたのかゴローくんがプルプルと震え始めた。 「ひぁっ!」 誘われるように、きつく閉じた尻の割れ目を指でなぞると、ゴローくんがビクンと飛び跳ねる。 「そこは、乾かさなくて大丈夫です」 「うん、むしろグッショリと濡らしたい」 「え……?」 困惑したゴローくんが、シャワーにちらっと視線をやった。 「汚れてるから洗い直せって意味じゃないよ」 「そうですか。よかったです」 はぁ……。 これまでドライヤーでこんなに幸せを感じたことなかったなぁ。 とはいえ、至福の時間は長くない。 小さなシッポはすぐに乾いてしまった。 ドライヤーを切ると、オレは風呂上がりのしっとりとした体をそっと抱き寄せた。 「ねぇ、ゴローくん、ゴローくんはオレに愛されたいって思ってくれてる?」 「あ……?あ……あい……されたい……です」 そんな問答をしながらも、乾きたてでフカフカのシッポに、つい手が。 「じゃあ、初めてキスした日にしてたコトの続き、していい?」 「続き……。交尾ですか?」 「え、交尾!? ま、まあ、そうか。っていうか、ゴローくん交尾って知ってるの?」 「はい。ノンアノセンターでお友達に教えてもらいました。旦那さまとの交尾はとっても幸せなことだそうです。そしてハクトさんが以前したのは前戯と言う部分らしいです。交尾をせず前戯だけで終わることもよくあるそうです」 「へ、へぇ……」 ピュアなゴローくんが、ノンアノセンターでちょっと耳年増になってしまったようだ。 「ゴローくん、あの続き、する?」 腕の中のゴローくんの体が熱を増している。 「交尾は、旦那さまが発情した時にするものです。ハクトさんは今発情していますから……」 冷静に言っていたゴローくんの顔がパーっと赤くなった。 そして何か考え込んだと思ったら……。 ドン! なぜか突き飛ばされてしまった。 「ゴローくん、やっぱり嫌?」 ゴローくんが両手を軽く拳にして顔の横に。 鋭い目つきでファイティングポーズ? え?そこまでイヤ? と、思ったら、くくく……と、小首をかしげる。 「旦那さま、ゴローを可愛がって、ね」 「え…………………もしかして、それ、可愛いポーズのつもり?」 肩まで真っ赤になったゴローくんが、パジャマを掴んでダッとリビングに走り去ってしまった。 慌てて追いかけて行くと、ソファの上で正座のまま前のめりに伏せたゴローくんが、頭にパジャマをかぶって丸まっている。 丸見えのしっとりとした生尻に、小さな平たいシッポがワレメをぴったり覆うように張り付いていて可愛いらしい。 けど、この状態のシッポは酷く落ち込んだり、怯えたりしている証拠。 「えーっと、ごめん。ゴローくん可愛かった」 「こういう風にすると旦那さまは喜ぶからとお友達に教えてもらったんです。でも僕は上手にできませんでした」 沈んだ声が、いつもより男らしいイケボでトキめいたんだけど、『可愛さ』を目指して挫折したらしいゴローくんにそれを言っていいものかどうか……。 「いや、いや、可愛かったって!」 「お友達がすると、ちゃんと可愛いんです。僕が悪いんです」 逃げたとこまで含めて、不器用で最高に可愛くて、オレはハートを鷲掴みにされたんだけど、そんなこと言ったらきっと、真面目なゴローくんは毎回逃げるとこまでワンセットでやるようになっちゃうよな。 頭にかぶったパジャマをそっとどけ、熱い体を抱いた。 そして羞恥に染まったゴローくんの肩にチュッとキスをする。 すると、ようやくゴローくんがオレを振り返った。 恥ずかしそうに目を細めたゴローくんのあごを掴んで上を向かせ、チュチュチュっとバードキス。 「可愛かったよ。今も変わらずオレがゴローくんに欲情してるって、ちゃんと伝わってるんだろ?」 「はい。さっきから体が熱くて、ちょっとクラクラしてます」 「あのね、昼間調べたんだけど、ノンアノは発情を我慢しすぎるとクラクラして、倒れちゃうんだって」 「我慢?」 「そう。だから我慢しないで甘えて」 「…………」 丸まっていたゴローくんがもぞもぞと体を回転させ、おずおずとしがみついてきた。 力が抜けたような大きな黒い耳にちょっと頬をくすぐられる。 そのクシュっとした感触がなんとも愛らしくて、誘われるように先端をパクッと口に含んだ。 「っ……」 とっさにゴローくんが顔を振り、パタパタと耳が鳴る。 それにキュンとしてまた耳を口に含み、先端をくすぐるように舐めた。 「っっっっっ………………!」 必死に逃げようとするが、ソファの背もたれに頭を埋めるだけだ。 耳の中にフッと息を吹きかけるとシャカシャカと耳をかきむしり始めた。 「なんですか???どうして耳をくすぐるんですか?」 「ごめんね、可愛いから、つい虐めちゃった」 「っ……!僕は……虐められているんですか……」 目を見開いたゴローくんの顔に絶望の色が乗っていた。 「えっ、違う!違う!本格的な虐めじゃなくって、ちょっとしたいたずらって意味だよ?反応が可愛いからそれを見たくていたずらしちゃったってこと」 「虐待じゃ、ないですか?」 「ち、違うよ!間違っても、他のヒトにオレに虐待されたとか言わないでね?また離れ離れになっちゃうよ?」 「それは嫌です。虐められても大丈夫です。我慢は得意です」 ゴローくんの目に強い意志が宿った。 「いや、虐待はしないから、ちょっとのイタズラは許して」 またフッと息を吹きかけると、耳がパタパタと動く。 そしてゴローくんは息を避けるようにオレの胸に頭をピタリとくっつけた。 「……くすぐったいです」 困惑するゴローくんの胸から腰骨にかけて、熱くなった手のひらでそっとなでる。 「あのね、くすぐったいところは、気持ち良くなりやすいところなんだって。つまりくすぐったがりなゴローくんは感度がいいってこと」 「感度がいい……?」 意味はわかっていないようだけど、褒められたと解釈したんだろう。ゴローくんのシッポがパタパタとソファを叩いた。

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