「ほら『旦那さまに絶対喜んでもらえるセリフ』をとても上手に言えたから、もうオレに嫌われるかもなんて心配は必要ないよ、ゴローくん」 優しく抱きしめ、そっとキス。 それと同時にソコを隠す可愛いシッポを猛ったモノでグイッと押し退けた。 「ゴローくん、怖がらないで。行くよ？」 「……はい……」 小さ過ぎる返事を聞き届け、ゆっくりとゴローくんのナカに埋まっていく……。 あったかくて、ギュッと包み込んで吸い込まれるような。 「っっぁ、ヤバいっ！挿入れただけでイクかと思ったっ！」 「……やっぱり僕じゃダメですか？」 押し込まれる感触に顔をしかめながら、心配そうにオレの顔を覗き込む。 「っ……逆っ。最高に………イイっ！！」 股関節が震え、下半身から脳天まで、一気に快感が駆け上って、身じろぎもできない。 激しく心臓が打って、背中が汗でジンワリ湿ってきた。 少し動いただけですぐにでイッてしまいそうだけど、初めて男を受け入れるゴローくんの体が馴染むまで動かずじっとしているつもりだったからちょうどいい。 ゴローくんのナカは、どこがとは言い難いけど、微妙にヒトとは違う気がする。 締め付けはキツくても痛くない。 しっとり、フンワリなのに、ギュッとして、極上のフィット感。 そんな肉体への快楽に加え、オレの中から際限なく溢れ出してくるゴローくんへの愛しさが鼓動を早め脳が痺れるような快感をくれるんだろう。 今までだって好きなヒトとしかこういうコトはしていないつもりだ。 それでも、ゴローくんとの交わりは別格だった。 剥き身の心にまで響くような快感は、ゴローくんにならオレの百パーセントの愛情を捧げ、全力で快楽に溺れても大丈夫だという安心感からくるものなのかもしれない。 「少し馴染んできたみたいだね。動くよ？」 「……はい」 恥ずかしそうな、小さな声。 だけど、どうしてだろう。 顔はさっきまでと違い無表情だ。 羞恥に歪むどころか、むしろ凛々しい。 ゆっくりと律動を開始しながらゴローくんの様子を探る。 「ゴローくん、つらい？痛かったりキツかったりしたら教えて」 「お、お腹の中を押されるので、ウッとなります。でも……そ、その……ハ、ハクトさんにこうされるのは……」 「うん？」 「こうされるのは………。ごめんなさい。す、好きな事を教えるように言われていましたが、とても恥ずかしいので、言えません」 ニィッと口の端をあげてゴローくんの唇をツンとつついた。 「……そっかぁ『メス穴に挿れられるのは好き』って、恥ずかしくて言葉にできないか」 「はい。ごめんなさい」 ワザと生々しく言ったのに、至って平静な返事。 本当にどうしたんだろう。可愛いことを言いながらも、やっぱり無表情。 「謝らなくてもいいよ。だけど、恥ずかしがってるようには見えないね」 むしろ、ゴローくんを恥ずかしがらせようとして、ハズしてしまったオレが恥ずかしい。 それを誤魔化すように、腰の動きに抑揚をつける。 するとようやくゴローくんの腰や腹筋がヒクヒクと反応をし始めた。 「んくっ……恥ずかし過ぎて、どうすればいいのかわからないので、我慢しています」 「え、そうなの？」 いろんな感情が限界突破してしまったゴローくんは、全ての感情感覚を捨て、修行僧のごとく、無に至ろうとしているのか。 いや、そんなのダメだって！ 感じて、乱れて、アンアン！ヒャンヒャン！好き好き言ってもらわないと！ 「我慢しちゃ体に良くないって言っただろ？嫌われるとかそんなこと心配せずに、どんどん恥ずかしい姿見せてよ？」 ゴローくんがキュッと眉根を寄せる。 「もう心配はしてません……んくっ……でも……ドキドキして。それに、恥ずかしいところも見せてます。お尻がキュウっとなるのも、ハクトさんに押し込まれるたび息がつまるのも、もっともっとして欲しいって思ってしまうのも、全部恥ずかしいです……」 「……っ」 はぁ……何がどう恥ずかしいか素直に言っちゃう、ゴローくんの無垢さが愛おしいよ。 「できれば、我慢せずにもっと乱れて欲しいけど、まだ無理かな？」 「もう、乱れてます。ハクトさんにグッグッとされるたび……頭の中がグチャグチャです」 無に至りかけてしまってるゴローくんだけど、完全に無ってわけじゃない。 肌は熱く湿り気を帯び、抑えた呼吸からも高揚しているのがたしかに伝わってくる。 なら……。 「じゃあ、これからオレがゴローくんのイイトコを覚えて、我慢する余裕もなく乱れ狂うようにカラダを育ててあげなきゃね」 つつ……と、首筋から鎖骨にかけて指でなぞると、ゴローくんがぷるっと震えた。 「そんな……こ、怖いです」 そして、窄まりがキュウっと絞られる。 そんな自分の反応で感じてしまったのか、ギュッとオレの腕を掴んだゴローくんの腰が小刻みにうねり始めた。 「っっっ……ぁっく……ンッ、ゴローくんの腰使い、エロい」 腰が動けば同時に中もうごめいて、キュウキュウ吸い付かれているみたいだ。 ダメだ。ゴローくんより先にオレが乱れ狂いそう……。 ゴローくんに応えるように勝手にオレの腰が動く。 弾みでズルッと抜けそうになり、そのギリギリで堪えれば、先端を入り口にキュッキュッと締め付けられる。 ……っくっ！ハァ……ヤバイっっ……。 ンンっ！耐えろ！ まだイキたくない。 ゴローくんも甘美な刺激にあごをのけぞらせ、綺麗な手で自分の口を覆って、熱っぽく目を潤ませている。 「んっ……んくっっ」 小さく喘ぎをかみ殺すゴローくん。 ナカへの刺激だけで、ゴローくんの艶やかなオスは、ぷっくりと充血して半勃ち状態だ。 そこに手を伸ばすと、引き締まった腰が暴れた。 「だっ……ダメです。やめて……」 「どうして？」 「っ……くぅ……ズクズクして、痛いような痛くないような、わけがわかりまっ……せんっっっ」 顔も胸も真っ赤になって、ぎゅっと何かをこらえている。 汗も一気に吹き出して、無我の境地から脱したみたいだ。 耳もぎゅっと倒れて……可愛い……。 「ゴローくん、もうイキそうってこと？」 「っんっっく……い、行きません。もうどこにも行きませんから、許して……」 両手で顔を覆い、息を呑んでは腰をビクビクと揺らす。 「許してって、何を？」 「わかりません。でも、ぅくぅっ……ハクトさん、僕の旦那さま……大好きだから、もう……もう……許してください」 呼吸を乱し、艶っぽく眉根を寄せながら、それでも必死に平静を装う。 小刻みに内壁をこすりあげれば、静かに悶えるゴローくんの腰がククク……と浮き上がってきた。 快感に引き締まる腹筋がセクシーだ。 しかも、カナの深いとこるで、オレの先端がその腹筋に締め付けられて……。 「はぁっ！ゴローくんのナカ、脳が痺れるくらい、最高にキモチイイよ」 「っ……く……」 大きな耳に声を吹きこむと、ゴローくんの目が揺れた。 ゴローくんから喜びが放たれ、それが初めての快感を呼んだんだろう。漏れ出そうになる声を必死に我慢しながら、突っ張る足を震わせている。 その虚勢を崩したくて、引き締まった腹筋を味わうように手を滑らせ、首を舐めた。 「ゴローくん……可愛い。ゴローくんっっ」 「はぁっ……ハクトさんの方が……僕の何百倍も可愛いです。旦那さまなのに、甘える……猫……ちゃんんっ……みたいです」 「えっ……」 予想外の言葉とともに、強い腕がオレの背中を包み込む。 不意打ちすぎて、ときめきが限界突破だ。 湿り気を帯びた胸や腹が熱くこすれあい、それにもゾクゾクとした快感を与えられる。 ヤバっ！……イクっ……我慢っっ！！！ 必死でこらえるけど、鋭い目をトロリとろけさせたゴローくんに熱い手でキュッとしがみつかれれば。 あぅ……可愛い……！！ そして、喘ぎを押し殺した、ゴローくんの低い声。 「ハクトさん……可愛い」 トドメの甘い声にガクッと力が抜けた。 「あっっ、く………出るっ！」 勢いだけで、なんとかゴローくんの中から抜け出し、しっとりと汗に濡れる腹筋にビシャリとオレの欲望を吐き出した。 「はぁっっっ！はぁっっっ！」 ソファについた手がブルブル震える。 そう長くない交わりだったのに、想像以上に体力を消耗していた。 あ、ヤバい。 オレの放ったモノがゴローくんのアゴにまで跳ねて、垂れて伝って……。 はぁ、気だるい顔も、汗に濡れた胸板も、艶っぽすぎる。 ……こんなに大人の色気を醸してるのに……まだ七歳って。 オレが身じろぎすると、ゴローくんがヒクンヒクンと足を震わせながら、キュッと目をつぶった。 もしかして、余韻でイッた？ 出来ればもうちょっと我慢して、一緒にイキたかったなぁ。 「ゴローくん、短くてごめんね？」 ティッシュとタオルで仰向けに脱力するゴローくんの体を拭きながら、そっと手櫛で髪を整える。 「え……これで短かったんですか？」 「まあ早漏と罵られるほど早くはないけど、じっくりたっぷりとは言えないよね」 「あの、じっくりたっぷりは……しなくていいです。ドキドキしすぎて、死んでしまいます」 「ん、でも……」 タプタプに濡れてしまったジョックストラップを脱がせると、開花寸前の朝顔のようなゴローくんのモノは半勃ちで、さらなる快感を求めているように見えた。 「下着は二枚しか持ってないので、もう替えが……ぁっっ」 小さく叫んだゴローくんが片手で口を押さえた。 そして反対の手は、ゴローくんのモノを優しくすり立てるオレの手の上に。 「どうして、僕のを……？っくっ……うぅくっっ……」 困惑の表情を浮かべながらも、オレの手淫に応えるようにゴローくんの長い足は開いて張り詰め、腰が淫らに浮いていく。 「うん、ゴローくんのココ、パンパンだ。すぐにイッていいよ？」 「行って？僕、追い出されます……？っっく……っっ………っ！」 ゴローくんが必死に声をこらえる。 「追い出すわけないだろ？一生幸せにするから。ね、ゴローくん」 「っっっ……っっ……」 オレの言葉に目のフチを赤くして、ゴローくんが白い液体を噴き出した。 「ゴローくん、気持ち良かった？」 「わ、わがりませ……は……は……は……」 息を乱しながら、力なく目を伏せた。 起き上がろうとする仕草も緩慢で、立ち上がるのを諦め、ソファの肘掛けにもたれかかる。 「疲れた？」 「変です。ハァ……あまり動いてないのに……キツいです」 「そっか。じゃあ、ベッドに連れて行ってあげるから、そのまま眠って」 オレは軽いゴローくんを抱き上げると、寝室へと連れて行った。 「違います。ここ、ハクトさんの部屋です」 「うん。一緒に寝よう？」 「えっ!?」 「イヤ？」 「イヤじゃ、ないです。その、僕……憧れてました」 「そうなの？あ、もしかして……」 脳裏に浮かんだのはノンちゃんのこと。 「一緒……嬉しいです」 小さな声は寝息混じりだ。 「おやすみ、ゴローくん」 おやすみのキスにだけどうにか反応し、そのまま睡魔に飲み込まれていった。 「寝顔かわいいな」 ちょいちょいと大きな耳にふれると、くすぐったそうにピロピロと震える。 ああ、ゴローくんと家族になったんだな……オレ。 何度目かの実感。 そして実感するたび、その事実がしっくり馴染んでくる。 ゴローくんはただ甘え、愛されることを求めるだけのノンアノとは少し違う。 『ハクトさんの方が……僕の何百倍も可愛いです』 オレを抱きしめる腕も力強くて……。 飼い主をいたわり慈しむノンアノは少なからずいるだろう。だけど可愛いだなんて言い出すノンアノは世界広しと言えどもゴローくんだけに違いない。 恋ビトだとかペットだとか、こだわっていたのがバカバカしくなる。 大切な相手と一緒にいられるって、本当に素晴らしいことだ。 これからずっと、大切にするからね、ゴローくん。 オレはすっかり深く寝入った愛おしい顔に、そっと誓いのキスをした。