28 / 28

第28話

ストリートのコートには宗方と間宮ともう一人、間宮と同じ大学であるという山口という男が、同じく三人組相手に3ON3のゲームをしていた。 その、レベルの高さに周囲には人集りができている。 それを、天馬は一番の特等席とも言える場所で見ていた。 公式な試合ではない為、お互い笑いを交えながらゲームを楽しんでいる。 パフォーマンス重視のそれは、次々と大技が繰り出される。 その繰り出される大技に、周囲の人たちの感嘆の声が上がる。 (どんだけ身体能力高いんだ、こいつら) 特に、宗方と間宮は群を抜いていて、苦笑すら洩れる。 「宗方ー、早くダンクー」 宗方はチラリとこちらに目を向けると、軽くドリブルをし間宮にパスを出す。 一つ頷くと、間宮がボールを空に向かって放った。 宗方が真っ青な空に飛ぶと一瞬、宗方の背中に羽根が生えたように見えた。太陽と宗方が重なり、ボールを掴んだ宗方が光に包まれる。 (オレの光はここに……) 吸い込まれるように、天馬はその姿に携帯のカメラを向けた。 次の瞬間、宗方はガンっとリングにボールを叩き込むとそのままリングにぶら下がり、天馬に向かって子供のような無邪気な笑みを浮かべた。 終

ともだちにシェアしよう!