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Please say no:Noと言ってほしくて2

***  瀕死状態のキサラギの治療のため、王家に仕える医師を呼び集めた。 「僕のために命を張って守ってくれたキサラギを、絶対に助けてあげてほしい!」  たくさんの医師に向かって頭を下げると、お任せてくださいとそれぞれ言って、手術室の向こう側に消えて行く。  ぎゅっと抱きしめた、キサラギの体がどんどん冷たくなっていく、あの感じ――僕の冷たい手をマッサージしてくれた、あのあたたかいキサラギがそこにはいなくて、不安だけが募っていった。  手術室の目の前にある椅子に座り、祈ることしか出来ない自分が、無力でちっぽけな存在にしか感じず、頭を抱えたとき、手術室から出て来た看護師が、足りないという言葉を口にしているのが、耳に聞こえてくる。 「おい、何が足りないというんだ? 必要ならば、こちらで用意してやるぞ」    英語で話しかけてみると看護師は慌てた様子で、AB型の血液が足りないと教えてくれた。 「わかった。城の者でAB型の人間を病院に寄越すよう、手配してやる。ついでに僕の血も使ってくれ、AB型なんだ」  傍に控えていた代わりの執事に城の者を寄越すよう言い伝えてから、採血室に向かった。僕の血でキサラギが助かるなら、いくらでも使って欲しいと頼んだのに、あっさりと断られてしまう。 「キサラギ氏は少々出血の量が多かったため、ショック状態ですが、きっと大丈夫。皆さんの善意のお陰で、助かりますよ」  励ましてくれながら、僕を採血した看護師。  その言葉を信じて、キサラギが助かるよう心の中に祈りを込めた――

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