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第14話

―和巳が寝入るのを待って、俺は布団から抜け出し、こっそりと部屋を出た。 そのまま足音を立てずに歩き、優紀が寝かされている部屋をそっと開く。 -結局、あの後、疲れが出たのかいくら名前を呼んでも優紀は目覚めなかった。 部屋の中は常夜灯が点いている。 ベッドに近付き、寝ている優紀の顔を覗き込む。 …別に起こすつもりはなかった。 ただ、優紀の顔を見たかっただけで…。 だけど…優紀の寝顔を見ているだけでは我慢ができなくなった俺は、寝息をたてて寝ている優紀の髪の毛に、そっと触れた。 「……ん………」 その時。 呻き、身動ぎした優紀の瞼が開く。 「………信士」 優紀の瞳が俺を捉え、二、三度、瞬きする。 直後。 優紀は毛布をはね除け、ベッドから起き上がろうとした。

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