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第52話 ✳︎
「あっ、み、見ないで…!」
恥ずかしい。反射的に手で局部を隠した。キスだけでこんなに身体が反応するなんて。顔が更に熱くなる。
すると七瀬さんが優しく俺の手に手を重ね、ゆっくりと撫でてきた。
「見ちゃダメなの?」
「んっ」
優しく唇や頬、目元に唇が落ちていく。同時に七瀬さんの手が指をなぞるように触れ、この前とは違い性的に感じた。手が撫でられているだけなのに、自分のモノを撫でられているかのような感覚になる。
「…は、恥ずかしい…」
「恥ずかしがってる風間君も可愛いね。もっと恥ずかしい事させたくなる。」
「えっ」
バクバクバクと心臓がうるさい。いつもの優しい七瀬さんじゃない、何だか食べられてしまいそうな、大人の男の人の色気が滲み出ている。
「風間君、好きだよ。」
「あ……。」
「付き合うって決めてくれて本当に嬉しい。こちらこそよろしくお願いします。」
「……あ、はい……っ。」
話をしながら、合間合間にキスが降ってきて胸がドギマギしている。
「男の俺が大丈夫か心配だったけど、こうやって身体が反応してくれて嬉しいし、安心した。」
「ひゃ……っ」
内腿を撫でられると局部に近い場所で驚き、身体が跳ねる。
「想像で俺と出来たんなら、今から本当にしてみよっか?」
「わ…わゎ……っ」
「大丈夫。最後までしないよ。ゴムもローションもないから。風間君このままじゃ辛いでしょ?気持ちよくしてあげたい。」
「いい…?」と七瀬さんが耳元で囁いた。ゾクゾクと背筋に走る。重ねられた手はゆっくりと動かされ、ズボンの皺が不自然な場所が見えるようになる。俺は混乱しながらも七瀬さんの手の動きに合わせて手を動かし、抵抗もせずなすがままだった。
七瀬さんの手がベルトに触れ、慣れた手つきで外される。ジジジ…とチャックを降ろすと、ズボンの上からではあまりわからなかった俺のモノは苦しそうにテントを張っていた。
くいっと紺色のボクサーパンツを下げられると、中から頭を持ち上げている興奮したモノがぷるんと跳ねる。
「わわっ……」
外気に触れ、ひやりとした感覚が襲う。人に触られたことのない場所を晒して恥ずかしいのに、俺のモノは触って欲しそうにヒクヒクと動いているのがわかる。また、隠そうと手を持っていこうとしたが、七瀬さんに遮られ、先に俺のモノに七瀬さんの手が触れた。
「風間君、先走り出てるね。」
「んあっ」
くりくりと優しく鈴口を撫でられた。ぬるぬるの液体が滲んできて、七瀬さんの指が滑りよく触れる。
「触ってほしいって涎垂らしてるの?」
「え、え、え、えと……」
始めて人に触られ、恥ずかしいやら、隠したいやらで、どうしたらいいのかわからない。
涎を垂らしてるなんて比喩されて、さらに恥ずかしさで顔が熱い。
「照れちゃったんだ?ああ、本当に可愛い。」
離れていた唇が再度触れ合う。歯の間から舌が中に潜り込んできて、身体を支えられながら、俺はいつの間にか新調したマットの上に押し倒されていた。七瀬さんの爽やかな香りと、ラグの真新しい匂いが混じる。
「んっ、ん、んんぅ…」
七瀬さんの舌の動きは巧みで、気持ち良さがどんどん雪のように積もっていく。すると、スッと口が離れ、ポロシャツを捲られたかと思うと、今度は胸の尖りにキスが落ちてきた。
「えっ、あっ…うぅ」
舌でコロコロと転がされるように舐められ、ピチャ…と時折聞こえる音が自分の吐息と混じる。
(胸、気持ちよくはないけど、何だかムズムズする。しかも七瀬さんに舐められていると思うと何だかイケナイ気分……)
「…んっ!」
尖りをカリッと歯を立てられた。ピリッとした痛みと共に何か別の感覚を感じる。
「あ。風間君、噛まれる方が好き?」
「えっ、…あっあ、あ」
甘噛みだったり、少し痛みを感じる強さだっり、強弱をつけられると、奥で火が燻っているような疼きを覚える。
(え、俺……胸で気持ちよくなってる…?)
「は…あ……っ」
「胸敏感みたいだね。ほら立ってきたよ。色も風間君の顔みたいに真っ赤になってきた。可愛い。」
おずおずと目線を下げ、自分の胸を見てみると唾液でテラテラと光り、いつもより赤くなってピンと上を向いている。
(うわわぁ!なんかいやらしい……っ!)
「下もちゃんと触らないと、苦しいね。」
「え、…あっ、んあ」
鈴口を緩く触っていた手が陰茎を包み込むように触れたかと思うと、上下に動き始めた。直接的な刺激に無意識に腰が少し動いてしまう。
「あ、あっ、七瀬さ…んっ」
「…気持ちいい?」
エロい動画を見ながら抜いた時とは比ではない程、快感の波が大きい。
「ふっ、…き、気持ちい…っ」
「よかった。」
「んぅ、ふっ……ん」
舌を深く絡め合い、上下に突かれながら、未知なる快感に少しの怖さも感じ、縋るように七瀬さんの首へ手を回す。
「ん、んぅ、は…ぁ」
息もままならなくて、鼻で短く息をする。上も下も気持ちがいい。手が胸にも伸びてきて、痛いぐらいに摘まれると溜まっていた限界がくる。俺は急いで唇を離し、七瀬さんに伝える。
「あっ、ぁ、…だ、ダメっ、七瀬さんっ、…出そうで、すっ」
「いいよ。受けとめてあげるから。気持ちよくなって。」
「えっ!んんっ、ふっ…ぁ」
噛みつかれるようにキスをされ、上下に動かしている手が速くなる。
「ぁっ……、ん、んんんん〜っ!」
せり上がってきた熱を盛大に吐き出した。ドクドクと脈打ちながら白濁液が七瀬さんの手の中に落ちていく。
(あ………。イっちゃった……。)
今まで経験したことのない気持ち良さを感じながら、はっはっと息を整える。
「よかった…?」
「……っは、…はい。」
「それは良かった。」
唇や頬、首に甘くキスが落ちてくる。七瀬さんの手が俺の出した精液で汚れてるのを見て、快感を追いかけて忘れていた羞恥心が蘇ってきた。
「ティッシュ、が、机の上にあります。」
七瀬さんが覆いかぶさっているので、自分では取れずに言葉で伝えた。
「ありがとう。」
七瀬さんが起き上がり、ティッシュを手に取る。その時、七瀬さんの下半身に目がいった。
(七瀬さん、勃ってる…!)
不自然に盛り上がったズボンを見てドキドキした。七瀬さんも興奮してるんだ。
いっぱい気持ちよくしてもらったんだから、俺も気持ちよくしたい。
「七瀬さんっ」
「ん?」
「今度は俺に、七瀬さんを気持ちよくさせてください。」
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