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プロローグ

 みんなとちがう  まっしろなかみのけと、むらさきいろのおめめ 「きもちわるい」 「へんなの」    たくさんいわれて、きずついて  いつもひとりでないていた  ぶらんこ、すべりだい、じゃんぐるじむ  にんきなあそびばからとおくはなれた、おすなばで  そのひもひとりあそんでた   「なにしてるの?」    むちゅうになって、おやまをつくってたら  めのまえにおとこのこがきた  あかるいおひさまがまぶしくて  おめめを、ぎゅってしたら 「だいじょうぶ?」  やさしいこえがふってきた   「おれね、りゅうざきはるきってなまえ! きみは?」  だれともおはなししたことない  どうしたらいいのか、わからない    それでもきみは、ぼくのとなりにくっついて 「なまえ、しりたいなぁ」  きらきらしたおめめできいてくるから 「し、らはま、ゆき、と」  ゆうきをだしたこえは  ちゃんと、きこえたかな  うまくいえたかな 「ゆきと、かわいいなまえだねっ」      わらったきみのかおをみて    とくん、となにかのおとがした  保育園から、小学校にあがって  お互いを『ハル』、『ユキ』と呼ぶようになって  ハルはずっと一緒にいてくれた    自分の容姿で、いじめられていたら  すぐに助けてくれる、ヒーローみたいな存在     「ねえ、ユキ。俺と約束しよ?」 「約束?」 「ユキがこの先ずっと幸せでいられる為の、約束」   「うん、いいよっ!」 「俺のそばにいること。ユキを守るのは俺だから、なにかあったら俺の名前を呼んで」 「そんなの……」   「ん?」 「当たり前だよ! ハルとずっと一緒にいるっ!」   「ははっ。約束、な」    クラスが別々になっても、一緒に帰るのはもちろんハルで    学校が休みの日はよく、どちらかの家で遊んだり勉強会をしたり  ずっと、こんな日が続くのだと当たり前のように思ってた  あの日までは――  

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