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第21話 初めての発情期①
(あつい……)
腹の奥が焼けるように熱を持つ。
(助けて、)
この熱を鎮めてほしい。
なんでもいい。誰かに。
理性を失って、正常な判断なんてもの欠片もない。
ただただ、この疼く身体と昂る熱を冷まして欲しい。
時折、感じる煙たい匂いはタバコだろうか。
それから、頭を撫でる冷たい感触。
(気持ちいい)
タバコの匂いに混じって甘い香りもする。
何かの花の香りだろうか。落ち着く香り。
その香りを嗅いでいると身体がムズムズとして腹の奥がキュンと疼く。
「やべぇなこの匂い」
誰かが何か言ってる。
でも、何を言っているかわからない。
薄く開いた瞼に誰かの影がぼんやりと映る。
「はる?」
呼びかけても返事がない。
不安になって手を伸ばすと冷たい手がギュッと握った。
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