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第22話 初めての発情期②

 言葉は無くても、触れてくれたことが嬉しい。  もう片方の冷たい手がするりと頬を撫でる。 (やっぱりハルだ)  助けて欲しい。この疼きを……。 (大好きなハルにこの熱を冷まして欲しいの)   「ん、はるぅ……すき」    ふわふわとした気持ちになって、言葉が口をついて出る。 「だいしゅき……」  ハルの前でずっと言えなかった言葉を理性を失くした今なら言える。  ずっと言いたかった、この気持ちを。  何年も密かに隠してきた恋。  ようやく言えた。 「はりゅは?」  呂律なんてもう回っていない。    ハルの気持ちは?  知りたい。  どう思ってるのか……。 ――チュ    唇に優しく触れたハルの唇。  それだけで、もう幸せ。  ハルが僕にキスをしてくれた。  幸せすぎて、嬉しくて。  夢みたいで。  思わず泣いてしまった。 「泣くほどかよ」  唯一聞き取れたハルの声。  嬉しくって、「うん」と笑って答えた。   「残念だったな、その"はる"って奴じゃなくて」  幸せいっぱい過ぎて、悪魔のようなその囁きは聞こえてすらいなかった。

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