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第73話 自由を賭けた勝負

 机を挟んで真正面に座った京極さん。 「タダで家に帰すのは惜しい。ユキは俺の運命だからな、本当はこの部屋からだって出したくない」  そう言って京極さんが長い足を組む。  その目は狂気に満ちている。 「本気で家に帰りたいのなら、俺とのゲームに勝ったらユキを解放してやるよ」  ゲームに勝ったら解放する。  その言葉に雪兎は目を見開く。  普段ゲームをしない雪兎にとってそれは正しく不利なものである。 「その、ゲームって……」  一体、どんなことをするのか気になった雪兎が問う。   「簡単に言えば、鬼ごっこだ」  機械でするゲームを想像していた雪兎は呆気に取られる。  鬼ごっこなら雪兎でも小さい頃したことがある。  鬼役が追いかける側で、逃げる側は鬼から逃げるという単純な子供の遊び。 「ただ、普通の鬼ごっこじゃつまらないないだろ」  続けざまに京極さんが言う。 「本気で俺から解放されたいなら、その覚悟を見せてもらわないとなぁ」  そう言ってクツクツと笑う京極さんは恐ろしくも愉快そうで。  雪兎はゴクリと息を飲む。  そのゲームに乗るか、乗らないか。  雪兎の答えは一つしかない。 「や、やります……!」  勝てばここから出られる。  ここから出られる道があるなら、やるしかない!

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