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【+α】梅雨っていうのは、いつだって独占欲でいっぱい

「うまぁい!」 「ほんと?よかったー。」 家に着き、風呂場で軽く運動を済ませて、ナオくんに学校で作ってきたお菓子をあげた。 マフィンを美味しそうに頬張り、紅茶をズズッと啜るナオくん。 「このクッキーも美味しい!サクサク!お店のみたいだよ、シュンくん!」 リスのように、これでもかってくらい口一杯に詰め込み、もぐもぐと咀嚼して口周りに食べカスを付ける。 美味しそうに、幸せそうに食べてくれるナオくんに、嬉しくなって、こっちまで幸せになって…、まるで幸せが伝染しているかのようだ。 「こらこら、もっとゆっくりお食べよ。」 「んふふ、うんまぁー!」 本当に甘いものが大好きなんだな、と思うと同時に、ふとナオくんが言っていた"甘い匂い"という言葉を思い出す。 「…そういえば…。」 お菓子作りの時、エプロン着たな…。緒方が持ってきたから受け取ったけど、あいつも同好会に入ってるわけじゃないから、エプロンとか持ってないよな、普通……。ということは、元々そのエプロンは…。 「?どうしたの、シュンくん?」 「えっ?あっ、いや、なんでもないよ!」 甘い匂い…。調理室自体、いろんな匂いが充満してて気が付かなかった。 「そう?クッキー全部食べるよ?」 「うん、いいよ。マフィンも全部ナオくんのだから。」 「え!ほんと!?やったー!」 ごめんね、ナオくん。他の人の匂いで、不安にさせちゃって。 「美味しい?」 「うん!めっちゃ美味しい!」 許してね、ナオくん。君の独占欲を嬉しく思うこの僕を。 「…好きだよ、ナオくん。」 「?俺もめっちゃ好きだよ!」 だからこれからも、僕を独占し続けて。 「…あ、また雨降ってきた!」 「今度恐竜のカッパ買ってきてあげるね。」 「…!要らないし!!」 -FIN-

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