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第4話

兄さんと文月さんは両親にあっただろうか…。 もう既に婚約したのかな……。 父さんと、母さんは元気だろうか……。 もう直ぐ、結婚するのかな…。 兄さんには白いタキシードがよく似合うだろう 文月さんはドレスかな…きっと凄く綺麗だ…… 僕も参加させてくれるだろうか…。 みんなのいる天国に行ってもいいだろうか… 僕は、飛び降りた……。 その日は、兄さんが亡くなった日と同じようにしとしとと雨が降っていた…。 即死ならこんなに痛く無かったのかな…。 硬いコンクリートに叩きつけられた体は、痛すぎてもう動かすこともできない…。薄れていく意識の中、降ってくる雨を見ていた……。 両親が亡くなって今日で2年……。僕の誕生日 あの日から雨に打たれる僕に傘を差し出してくれる人は誰もいなかった……。 兄も、父さんも、母さんも、文月さんも…… 生きていたら傘を差して僕を迎えに来てくれただろう…。みんな優しくて暖かかったから…。 僕はずっと雨の中にいる……。 傘を差し出してくれる人は居ない……。 待っててね、みんな……。 僕も、すぐに雨のない世界に行くから…。 暖かい日差しの下で、 みんなでまた一緒に暮らそう……? Fin

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