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ナギサの話(5)
ナギサの戸惑いは、火を見るよりも明らかだった。大きな猫目がさらに見開かれて、肩が小刻みに震えている。
ネコもできるとは言ったものの、ここまで要求されるとは思っていなかっただろう。
ナギサが何かを言いかけて口を開いた時、和臣は腰を高く突き上げた。
「ひ…… っ!」
突然の動きに、バランスを崩したナギサが身体をぎゅっと固くした。
ナギサが口を閉じたのを確認すると、和臣は笑いながら言い放った。
「明るいところで、見られながらする方が興奮するんだろ?」
するとナギサは、はっと息をのんで目を見張った。
時間が止まったかのような凝固の後、ナギサはクッと口角を上げ、細い腰を揺らし始めた。
「エトぉ、ほんと変態だねぇ。」
吐息を長く吐きながら、ナギサが腰をまわす。左手で持ち上げた褐色の陰嚢の下から、和臣の性器を咥え込んだナギサの後孔がよく見えた。腰をまわすたびに、まるく薄く引き伸ばされたふちが形を変えながら和臣にからみつく。
「どう…… ?ちゃんと、見える?」
妖艶に笑いながら、ナギサが見下ろしてくる。
「ああ、これは思った以上に、クるな…… 」
限界まで怒張したものを肉襞で撫でまわされ、視覚にも過激に訴えられている。和臣はなぜか形勢を逆転されたことが悔しくて、乱れた息に気づかれないように言った。
「右手も、ちゃんと動かせ、よ…… 」
ナギサが自らの手筒で性器を刺激すると、和臣にまとわりつく後孔がきゅんきゅんとすぼんだ。
「あ、ああ、あ、ん…… 」
それまでゆっくりと円を描くように回されていたナギサの腰が、次第に縦に揺れ始めた。
「いいよ、そう、そうやって、自分の……イイとこ、に、あてて…… 」
和臣が言うと、ナギサはぐちゅぐちゅと音を立てて一層激しく腰を動かしながら、連動するように自らの性器をこすり上げた。
「ああ、あん、あ、あ、はあ、あ…… っ」
「自分で、そんなにこすって…… なあ、これって、これじゃあ…… ほとんど、おまえのオナニー、だよな?」
ナギサの顔にはもう笑みはなかった。潤んだ目をせつなげに細めて、和臣の言葉にギュッと後孔を絞った。
「はっ、今の、すごい締まった。オナニー見られて、感じてんだ?」
ナギサの中が波打っている。入り口がひくひくと痙攣しながら和臣の性器を根元から絞り上げるのを、目でも捉えられた。
和臣はたまらず腰を突きあげると、激しくナギサを突き動かした。
「んや…… っ、ああっ、あんっ、ん、あ、ああ、あーっ」
ナギサの先端からは透明な液がとめどなく溢れ、しごく手筒を濡らしている。
「イけよ。…… ケツに男、咥え込んで、オナニーしてるとこ、俺に、見られながら、…… イけよ…… っ!」
「ん、んん――っっ!」
ナギサの孔がきつく何度も締まり、和臣を絞り上げた。和臣の腰の上でびくびくと痙攣し、顎を反らせて快感の声を上げる。
一拍遅れて、張り詰めたナギサの鈴口から白濁した精液が勢いよく飛び散った。
「は、ああ、あ―― 」
ナギサは肩で息をしながら脱力し、自身の体液の飛び散った和臣の胸に倒れこんだ。
「へ…… 変態…… 」
荒い息の下から、ナギサが毒づく。
和臣は精を搾り取られてやや硬さを失った性器を、まだひくひくと痙攣のおさまらないナギサの体内から引き抜いた。
「どっちが…… 」
心地よい疲労と共に目を閉じる。掌が無意識に、ナギサの金色の髪を優しくなでていた。
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