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ナギサの話(4)

ナギサの蕾は電灯に照らされてなまめかしく光り、更なる刺激への期待にひくひくとうごめいて和臣を誘っている。 和臣はそこを舐めながら片手で装着を済ますと、上体を起こして薄いラテックスに包まれた性器をゆっくりとナギサの中に沈めて行った。 「あ、ん―― …… 」 ナギサは快感を全身の痙攣で表した。和臣が身を進めるほどに、小さな尻がびくびくと震え、反らせた背中に肩甲骨が浮き出した。 とがった肩甲骨の谷間に、一円玉くらいの赤い跡がある。 ーー 火傷の跡…… ? ケロイドと呼ぶのだろうか。最近のものではないが、子どものころの古傷というほど古くはない感じだ。昨夜抱いたときから気になっていた。 それもひとつではない。同じような跡が、右胸と、左の腰骨の上にもあった。 浅く、深く、腰を打ち付けるたびに揺れる、背中の赤い跡に目が吸い寄せられる。 ―― 立ち入っても仕方がない。そんな仲でもない…… 和臣が意識してそこから目を離すと、ナギサが後ろから突き動かされながら、自分でもゆるゆると腰を振っているのに気づいた。後ろの刺激では足りないらしく、自らの屹立をシーツに擦りつけている。 和臣はふっと微笑んで、後ろからナギサの胸に腕を回すと、その上体を抱え起こした。 「あ…… っ!」 驚いた顔で振り返ったナギサは、至近距離からにやにやと笑う和臣と目が合うと、ばつが悪そうにうつむいた。 「ん、ん…… っ」 膝立ちで後ろから抱きかかえるように突くと声を上げるものの、一番感じるところへの刺激を失ったナギサはじれったそうに腰をもぞもぞと動かした。 「自分でいじっても、いいんだぞ?」 金の髪に覆われたナギサの耳元で、和臣がささやく。 ナギサは下を向いたまま、キラキラと輝く髪を揺らしてかぶりを振る。 和臣は一層いじわるな気持ちになって、ナギサの秘孔を押し開いている自らの杭を、勢いよく引き抜いた。 「んん…… っ?!」 衝撃で前のめりになったナギサを横目に見ながら、自分はベッドに仰向けに横たわる。 和臣はナギサの腕をとって自分に跨らせると、 「これ、自分で挿れて。」 そう言って屹立を指で揺らして見せた。 ナギサは言われたとおり、和臣にまたがった。腰を浮かせてその先端を自らの蕾にあてがい、ゆっくりと腰を落とす。 はあ、あ、と溢れるナギサの吐息に。 和臣は満足気に微笑むと、ゆっくりとした動きでナギサを突き上げた。 「ん、んあ、あ…… っ!」 下から突き動かされ、勃ち上がって揺れるナギサの先端から、透明な雫が跳ね飛んだ。 ナギサは下から揺さぶられる快感に身をゆだねている。ゆっくりと突き上げながら、和臣は彼の右手を揺れる屹立へと導いた。 「ほら、自分でしごけ。」 自らの濡れたものを握らされたナギサが、ごくりと細い喉を鳴らす。 和臣はさらに、ナギサの左手を結合部に近い陰嚢の下へと導いた。その手を下から支え、柔らかい袋をぐっと持ち上げさせる。2つの球が性器の根元を圧迫する感覚に、和臣に絡まる中の肉がぎゅっと締まった。 「こっちは、こうやって。つながってるとこ、俺によく見えるように、持ち上げてて。」

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