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ナギサの話(3)
ナギサの細い指が、和臣のジーンズのジッパーをおろす。下着の上からそっと性器をくわえた唇で
「んー、半勃ち?」
と見上げてきた。
「おまえが勃たせれば、いいだろ…… 」
和臣は自分の下着をずらした。露出したものを、ナギサが根元まで口に含む。その生暖かい感触に、身震いした。
決して上手くはない。普段は女が相手だというから慣れてもいないのだろう。でも、柔らかい舌で丁寧に舐め、唇で優しく包んでしごくナギサのやり方に、和臣は興奮するよりもむしろ愛しさを覚えた。
昨夜もそうだった。奇抜でがさつそうな外見のわりに、和臣に触れる手や唇は優しく繊細で、そこにあるはずのない愛情さえ感じさせた。
一晩に何度もされた口淫は、手早く勃起させるための手段のような態 ではなく、不思議なほどの懸命さと熱を孕んでいた。
その熱に浮かされるように、痩せた身体を何度も求めてしまったのだけれど……
ちゅぽん、と小さな音を立ててナギサが和臣の屹立から口を離す。舌先で裏筋を舐めながら下りて行き、陰嚢を含んで舌の上で優しく転がす。ナギサの唾液で濡れたものは、小麦色の細い指筒で刺激されている。鈴口に溜まった先走りを指ですくい取られるたびに、和臣の怒張が増していった。
「ん、んん…… う…… 」
和臣の先走りで濡れた指を、ナギサが自らの後孔に挿れる。昨夜もそうしたように自分で慣らすつもりなのだろうが、つらいのか眉根を寄せている。
顔を見られていることに気づいたナギサが体勢を変えたので、金色の後頭部しか見えなくなってしまった。
「ふ…… う、んん…… 」
顔が見えなくても、小刻みに震える唇とそこから漏れる声で、ナギサが苦痛を感じていることはわかった。
―― ローションを買っておいてやればよかった……
コンドームは残りがあったが、ローションは必要な時に買って使い切る。自宅に買い置きはなかった。
―― 昨日も、やっぱりつらかったんだろうな……
和臣はナギサの金の髪をかき上げ、目を上げた彼の唇から自らの屹立を抜いた。指示して四つん這いにさせると、ナギサは不安そうにふりむき、
「まだ、ほぐれてないよぉ…… 」
と小さな声をあげた。
それでも和臣が後ろに膝をつき、褐色の尻を両手で外側に開くと、ナギサはびくっと震えて身構えた。
「ひあぁっ!?」
予想を裏切る刺激に、ナギサが声をあげた。和臣がナギサの尻に顔をうずめ、濡れた舌で蕾を舐めたからだ。
和臣の舌が紅潮したひだの円を舐め、唾液を塗り込むように秘孔の中へと挿し込まれると、ナギサの褐色の尻がぷるぷると震えた。
「あ、あ……ん…… 」
挿し込まれた舌が抜かれ、新たな潤いをともなって蕾を舐め上げる。その中心を割るように浅く優しく挿入された固い舌先が、敏感なふちの粘膜を弄ぶようにちろちろと動いた。
「やあ、あん、は…… あ、あん、ん…… っ」
執拗に繰り返される秘孔への刺激に、和臣の目の前に垂れて揺れていたナギサの性器が、後ろからは見えないほどに勃ち上がった。
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