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《7》*
良次の長い指が入ってきて、中を掻き回す。
ゆっくり探る様に内壁を這い、浅い所まで出ていき、また中へと差し込まれる。
何度も何度もだ。
こんなとろ火で炙られる様な感覚が延々と続くなんて堪らない。
中で蠢く指の感触に、息を吐いて耐えていた。
「早く…、やるんなら…やれよ…!」
早く、この半端に嬲られる様な状態から解放されたかったし、
良次が辛そうで、強がりを口にする。
だけど、良次は首を横に振る。
「ちゃんと慣らしてからじゃないと駄目だ」
そう言われてしまい、また繰り返される行為に必死に耐える。
「は、はぁ!ぁ…!やっ…!?」
それを繰り返している内に、良次の指が掠めたある場所が、ビリビリと痺れた。
「あっ、ああっ…!」
「イイトコに当たった?」
「ひっ、わかっ…、わか…な…」
確かめる様に、良次が何度も同じ場所を擦り上げる。
その度にぐちゅぐちゅと濡れた水音が部屋に響く。
「ひっ…ひぅっ…!!」
余りの衝撃に、それが快感なのか不快感なのかすら分からない。
「利久の気持ち良いトコ、見つけた」
艶めかしく耳元で囁かれて、ゾワリと快感が走る。
瞬間、腹の上に暖かい感触が飛び散る。
何が起こったのか分からなかった。
「は…はは、マジ…?」
ゴクリと良次の喉が鳴る。
「お前、後ろだけでイったの?」
肩で息をしながら、達した余韻に惚ける。
涙で霞んだ目で良次を見上げると、ギラギラと獣の様な目をして俺を見下ろしていた。
頭の片隅で、何だかマズいと思う。
だけど、思うだけ。
カチャカチャとベルトの金具が擦れる音が、まるで別の世界の音の様に遠くで聞こえていた。
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