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第51話

side凪 リビングのソファーで晴くんが眠っている。 今日はプールに行ったのだ。 しかもリゾートプール的な。 晴くんのクラスメイトに連れていってもらったのだが、あれは生徒会長と副会長だった。 晴くんの人脈、あなどれない…。 プールで体力を削ぎ落され、家に着くなり晴くんは眠ってしまった。 あああ、可愛い。 ソファーの端にすっぽりと収まり、黒髪が目にかかる。 少し顎を上げてまるでキス待ち顔だ。 桜色の唇が薄く開いて俺を誘っているようだ。 目にかかった前髪を人差し指ですくい、なでつける。 「んっんん」 すうすうと寝息をたてていた晴くんが触ったとたん、色っぽい声を出す。 このまま抱きしめようか。 それとも瞼にキスしようか。 イケナイ妄想が掻き立てられる。 俺は薄く開いた唇に自分のそれを押し当てた。 晴くんとキスをした。 ドキドキと鼓動がうるさい。 晴くんはまだ眠っている。 今度は舌を出し唇を舐めた。 「ん…ふぅん」 うっすらと頬に赤みが差している気がする。 ダメ…可愛すぎて止められない。 俺は晴くんに深く口付けた。
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