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第74話『直×拓編』【R18】

side直樹 腕に絡まるように甘えてくる拓己が愛しくて、でも乱暴にしたくなくて拓己の胎に入っても動けずにいた。 「んっ…も…いいから…動いて…」 苦しそうに吐息と一緒に拓己の口から言葉が出てくる。 「…うん…」 ゆっくりと動き始めると拓己が震えているのに気付いた。 「…んっ…ふぅ…」 「苦しい?…拓己」 前髪を掻き上げてると蒸気した顔に欲情が煽られる。 「…アレ以来だから…でも…」 へーき、と俺のことを気遣って笑って言う拓己。 心臓がぎゅん、とする。 「…もう、無理」 膝頭にキスをし、拓己の両足を高い位置で折り畳んで激しく腰を打ち付けた。 「あっ…急に…あぁ…ん…」 部屋にはパンっパンっと腰がぶつかる音とグジュグジュと濡れた音が響いた。 「や…つよい…」 俺の下で白い喉が震えている。 「俺を…見て…拓己…」 拓己が左右に首を振る。 「…や…だ…」 一段と強く腰を打つ。 「ひぁ…んんっ…ぁ…だめぇ…」 「な…んで…」 銀色の糸を紡ぎながら拓己の口がはくはくと動く。 「な…泣いちゃ…う…から…」 俺は手を伸ばして拓己を抱き起こした。 「ゴメン…一人で泣かせて…」 きつく体を引き寄せ額にキスを落とした。今にも泣きそうな顔をしながら薄く微笑む拓己。 「いーよ…直樹なら」 背中から首を伝う拓己の腕に徐々に力が入り俺の目を覗きこんでいる。 「…見んなよ」 俺の顔を見てわざわざそんな乱暴な言葉を吐きながらも、滴が目の縁に溜まり溢れ落ちる。 「やっぱ見るだろ」 拓己の瞳に新しい滴が次から次へと生まれ溢れた。 「あれ?止まんねー」 拓己が言い終わる前に舌先でそれを拭い取った。 「キザ…」 「でも、止まった」 「あーもう!好き!大好き!」 降参、と叫んで拓己は俺を押し倒した。

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