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第75話『直×拓編』

side直樹 「拓己、大丈夫?」 ぱしゃん、と拓己がお湯の表面を手のひらで打ち、飛沫が顔にかかった。 「心配するほどヤるなよ」 「拓己が可愛いのが悪い」 「意味わかんねー」 そう言って俺の前で両腕を天井に向けて伸ばした。 「ん~あちこち痛怠い」 「辛い?もっと寄り掛かってよ。クッション位にはなるよ?」 拓己は俺の脚の間にちょこんと座っている。 たいして広くもない、と言っても男二人が入れるのだからそこそこ広めの湯船に一緒に浸かっている。 「いらねーよ。あ~直樹と同棲だ~」 「嬉しい?」 「まぁ…ね」 膝を抱えて小さく丸まるように湯船に浸かる拓己の姿からなんとなく目が離せずにいた。 こんな風に二人で湯船に浸かったことは無かった。 拓己の耳朶や肩がほんのりピンクに染まっている。 誘惑に勝てず首筋に舌を這わせ、耳朶を噛んだ。 「あっ…ん、直樹!」 「悪い、つい…」 言い訳の途中で拓己の後頭部に手をやりキスをひとつ…ふたつ…。 見開いていた瞳は瞼に覆われ凭れるように体を預け、まるで甘えてくれているようだ。 チュク…と風呂場に響くほど深いキスを交わす。 「ぁ…んっ…ダメ…」 拓己が肘が俺の胸を押し返すように当たっている。 「拓己、もっと…」 「やだ…のぼせる…」 言葉は拒否しているものの拓己の腕は俺の背中に回り、いつの間にか向かい合い抱き合うようにして舌を絡めていた。

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