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day5
やっべえ、寝坊──。
ああ……まあそうだよな。滞りなく来るよな月曜……学校行こ。
なんも変わんねえなー。
相変わらず古林の弁当は梅干し丼だし、同じ奴が同じ奴と同じ会話してるし。
本当こいつだけなんだよな。例外は。
「藤なにしてるの」
今日も教室に残ってたら、また探しに来るし。
「雨見てる」
「帰らないの」
「することねえし」
「俺ここに居てもいい?」
「どーぞ」
しかも会話にバリエーションもある。
なんなんだろうな。
「藤のことが──好きだ」
知ってるよ。何度も聞いた。
ここだけは変わんねえのな。
「俺の何がいいの」
「藤は優しい」
「困ってるばーちゃんの荷物とか持ってやったことねえぞ」
「あはは。俺は助けて貰ったよ。古林が財布失くした時」
そんなんあったな。
体育から帰ってきたら財布がねえとか古林が騒ぎ出して、見学だった夏越が疑われたんだよな。
俺がいいからもう一回探せって言ったら結局出てきて。
「おまえ助けたわけじゃねえぞ。古林がだらしねえの知ってたからだよ」
「でも俺は嬉しかった。理由なんてそれで十分だよ」
こんなの聞いて何になるんだよ。
けど──こいつの話は同じ所を回らない。
繰り返してはいるけど、少しは前に進む気がするんだ。
「帰ろうぜ」
「え?」
「駅まで。んで傘入れてくれよ」
「──うん」
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