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情交~オメガを傍に置く理由。

 抱かれる熱が覚める頃、そうしてウェリーはふと目が覚める。  目の前にはゼフィール・アラベスタがいる。  いつもながらに彼はとても美しい。尖った顎にすっと伸びた高い鼻梁と薄い唇。今は閉じているが、アメジストの鋭い輝きを持つ目は威厳に満ち溢れ、常にウェリーを魅了し続ける。  その彼は今、静かな寝息を立てて眠っていた。 (ゼフィール……)  彼を前にすればたとえ情交を終えたすぐ後でも体は熱を持ち、欲してしまう。  心だけでなく、体までもが彼の虜になっていた。  そこでウェリーの脳裏に疑問が過ぎった。  果たして彼は自分のどこが好きなのだろうか、と――。  彼は自分のことを美しいとそう言ったが、ウェリーは(にわか)に信じられなかった。  だってどこにでもある黒い髪に見るからに頼りなさそうな脆弱な体。加えて鼻もぺしゃんこだ。

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