4 / 23
情交~依存する心。
伯爵という身分もあり、容姿も天使のように美しいゼフィールにとって、器量が悪く、経済力もない自分はただの厄介者でしかない。
そうなると、彼が気に入ったのは他の理由の可能性がある。
身寄りもない自分をただ可哀相に思って……。
優しい彼のことだ。有り得る。
彼にとって、ウェリーはただの同情で引き取ったにすぎない。
そしてこうやって自分を抱くのは、性的欲望を満たすため……きっとそうに違いない。
だってゼフィールには恐ろしい噂がついて回る。彼の本心を知らない淑女たちは恐れおののき、寄りつきもしない。
性的欲望を晴らすには、もはや自分しかいないのだ。
だったら……このまま、ずっと傍にいられるかもしれない。
ゼフィールは『人食いゼフィール』として世間に黒い噂を立てられていればずっと……。
ともだちにシェアしよう!