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情交~依存する心。

 伯爵という身分もあり、容姿も天使のように美しいゼフィールにとって、器量が悪く、経済力もない自分はただの厄介者でしかない。  そうなると、彼が気に入ったのは他の理由の可能性がある。  身寄りもない自分をただ可哀相に思って……。  優しい彼のことだ。有り得る。  彼にとって、ウェリーはただの同情で引き取ったにすぎない。  そしてこうやって自分を抱くのは、性的欲望を満たすため……きっとそうに違いない。  だってゼフィールには恐ろしい噂がついて回る。彼の本心を知らない淑女たちは恐れおののき、寄りつきもしない。  性的欲望を晴らすには、もはや自分しかいないのだ。  だったら……このまま、ずっと傍にいられるかもしれない。  ゼフィールは『人食いゼフィール』として世間に黒い噂を立てられていればずっと……。

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