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作者より
チェリーブロッサム。
修正版にお付き合いくださり、ありがとうございました。かなりの時間を費やしてしまいましたが、完結まで辿り着けたのは読者の皆様のおかげです。
本当に、ありがとうございます。
他サイト様で更新していた時間軸はリアルタイムと重なっていたため、桜のシーズンに合わせて完結できるように調整しておりました。そのため、ラストの新居でのシーンは描ききることができずにいましたが、修正版では二人の第一夜が追加されております。
そしてですね、こちらのお話のアナザーストーリーとなるEGOISTは2月10日から1日1話ずつ21時に更新予定ですので、気になる方は是非そちらもお読みいただけると幸いでございます。
さてさて。
修正版での最後のコメントをどうするか悩みましたが……不思議なことに、何年経っても書き上げた当時と私の思いは変わらずでした。
ですので、過去の言葉にはなりますが、そのままを残しておこうと思います。
雪星の二人の出逢いから、答えを見つけ形になるまで。あいだの一年は飛ばしてしましたが、約三年間のストーリーを描いていこうと書き始め当初から思っていたのがこのチェリーブロッサム。のお話でした。
BLという世界観で捉え方は人それぞれあるかと思いますが、このお話を通して読者の皆様に伝えかったことが一つだけあります。それは、小さな愛の形です。恋人、家族、兄弟、友人、仕事先の人、良く行くお店の店員さんなど……貴方の周りには、沢山の人がいると思います。
喧嘩したり、時に笑いあったり。
好きな人がいれば、嫌いな人がいたりして。
それでも何気なく過ぎていく毎日のなかに、愛情や幸せは転がっています。
星くんの卒業式で、横島が言った言葉がありますね。
「人は、独りでは生きていけない生き物だ。必ず、どんな時でも、お前らの周りには人がいる。それは不特定多数かもしれない、誰かと呼べるような人ではないかもしれない。だがな、俺たちは日々、誰かに助けられ、誰かを助けている。それが恋人の時もあれば、家族や友人の時もある。好きな相手じゃない時や、嫌いだけれども手を差し伸べられること、反対に差し出すこともある」って。
作中に登場するキャラクター達も、誰かに助けられ、誰かを助けているシーンが多くありました。
その誰かは、きっと貴方の周りにもいることでしょう。孤独を感じることがあっても、貴方は決して独りではないことを忘れないでください。誰かが貴方の存在に支えられ、今日を生きていること。
偉そうにいえる立場ではありませんし、波のないお話で拙い文章しか書くことが出来ませんでしたが……読者様の存在のおかげで私はお話を書き、そして沢山の大切なことに気づかせて頂きました。
皆様、本当にありがとうございます。
桜で始まり、桜で終わる。
このお話の中で、タイトル名でもある桜の木が何度も出てきます。雪星の成長を見守っていた桜の木、それは読者様の皆様のような存在です。春の訪れを知らせる桜は、淡い恋心や、新たな出会いの予感、別れや旅立ちを感じさせます。
季節は巡るものです。
花が散り、春が終わってしまっても。
また新たな季節が貴方を出迎えてくれます。お話は完結となりますが、もしも桜を眺めることがあったなら、その時は、こんな話あったなって心の片隅においてやってください。
『チェリーブロッサム。』
完結までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
おくいろ
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