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第3話

 顔を打つ水飛沫。其れが私に意識を齎せた。  境界線すら判らなく成った腕を強く引かれる。私の腕は未だ確りと此処に存在して居たのだ。  見上げれば先程迄夜空に煌々と存在して居た筈の満月は濃い闇に覆われ、代わりに海の色に似た深い色の宝石が二つ、其処に在った。 「何してやがる糞太宰」  ーー噫、矢張り夢だ。  此れは現実ではない。 【君が私を愛する現実なんて】 「ーーーーアイして、中也」

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